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【プレバト!!俳句】8月15日<後編>|詳しい解説&感想まとめ

プレバト!!

8月15日放送『プレバト!!』俳句の詳しい解説です。
今回の放送は8月8日に特別番組で中断した回になります。

前編はこちら👇

テーマは「かき氷」です。
放送された順にいきます。

辰巳琢郎 「餅飯殿にも 賑はひ戻り かき氷」 3位

餅飯殿もちいどのセンター街という奈良で最も古い商店街に1番好きなかき氷のお店がある。コロナ禍で寂しかったが久しぶりに行ったら賑やかで行列ができていた”という句。
季語【かき氷】[夏]
京大卒の辰巳さん、5回目で初の才能アリです。
梅沢さんは「にも」がいらないのではないかと言っていました。

夏井先生「これはね、取り合わせが面白いですね。まずこの餅飯殿、この固有名詞とかき氷との取り合わせが非常に個性があってそこが良いと思いますね。問題点は、おっちゃんの言う通りなんですね。”にも”と書きたいお気持ちは十分わかるんですよ。”も”ってことは他のところもそうなんだけどここにもって言いたいお気持ちはわかるんですけれども、この使い方が少々散文的になります。これは”も”を消すだけ、”餅飯殿に”でいいんですね。で、あとこっからの展開なんですけれどもこれもね、微妙に惜しいのが、賑わい戻るってことが言いたいってのがよくわかるんですよ。でも俳句として考えた時には”戻る賑わい”ってやった方が映像になるんです。『餅飯殿に 戻る賑はひ かき氷』そしたらこの賑わいの向こうから、かき氷がスッと浮かんできます。この2点気を付けてたらこれは順位はひっくり返りますよね」

直された時にお~こっちの方がいいな!と思うんですが、自分ではなかなか😅

続いては、2位の発表。

ももいろクローバーZ・玉井 「山積みのプリント 救いのかき氷」 2位

”小学生の時、夏休みの宿題に追われている時、かき氷を作って宿題からも暑さからも解放された”という句。
季語【かき氷】[夏]
梅沢さんが、良く勉強して上手な句またがりの句だけれども5・7・5にしたらもっと良かったのではと言っていました。

夏井先生「おっちゃんの指摘がありましたけれども句またがりというのに挑戦しているんですよね。ここまでで1つ1フレーズ、中七に句またがりさせて残りでっていう風にやるの、なかなか難しいんですけれどもね、頑張りましたねこれは。もったいないのはね、これね、救いのっていうところが自分としては一番言いたいのは分かるんですけど、ここがね、自分の感想になってるんです。救いのようなかき氷でした、という風に。俳句はね、感想とか説明ではなく映像、なんですね。やってみますね。ここを(”救いの”の部分)やめればいいんです。山積みのプリントを、これは例えばプリントはさておいて、なのか、プリントを仕上げてしまってなのか、そこら辺まで俳句では言えるんです。例えば、プリントをそのままにして”プリント置いて”ってやったら『山積みの プリント置いて かき氷』で、もしこれが、これ全部済ましてるんなら今度はそういう風に書くだけなの。」
玉井さん「”終えて”か…」
夏井先生「そうそうそうそう!『山積みの プリント終えて かき氷』って。事実だけを書いてるんですけども、これでかき氷の味も変わってくるでしょ。こういう工夫をするだけで、リアリティーがぐんと変わってきますね。でも初めてでここまで出来たら上等ですよ」

玉井さん初挑戦なのにすごいですね!句またがりまで使うなんて!
それにしても夏井先生の添削、納得です。やっぱり感想や説明ではなく映像なんですよね。それにしても、やっぱり5・7・5っていいですね~😊

次は、最初は最下位として発表された句です。意味深な言い方(笑)

ずん・飯尾 「口元や 甘いドラキュラ かき氷」 5位

”大人はかき氷をスプーンでキレイに食べられるが、子供の頃は口元が真っ赤に染まってドラキュラみたいになった”という句。
季語【かき氷】[夏]

夏井先生「あのね、かき氷とかりんご飴とか食べて、舌とか口がこう赤くなるじゃないですか。あれをね、ドラキュラみたいってもうめっちゃくちゃよくある比喩なんですよ、ほんとに。あの書くのも恥ずかしいような陳腐な比喩だと私は思います。陳腐な比喩なんだけど多少、一生懸命俳句にしようとしている努力のあとは見えるんです。それは何かって言うと”甘いドラキュラ”のここですよね、たしかに赤いとかって書かずにですね、甘いって書くとちょっと詩が生まれるんじゃないかと、そういう希望がちょっと見えはするんですね。多少見えるんで一応この点数は付けましたけれども、あの、元の発想がもう本当に良くあるタイプなんですね。で、こんな詠嘆で気取ったりしないで、もう”口元は”でしょ?口元は甘いドラキュラみたいだ、なぜかっていうとかき氷食べたからだよと。もうこういう風に直すとしたらここくらいしかないんですけれども、もう発想の土台が凡人なので、直したところで凡人なんです。もう直す力もないです」
🖌添削後『口元は 甘いドラキュラ かき氷

飯尾さんがたくさんバツを書いて直して欲しがってましたけど、夏井先生があまりに凡人の句なので拒否してました🤣
もう今まで死ぬほど見てきた俳句なんでしょうね💧

次は1位か4位かの分かれ目の発表でしたが…。

Aぇ! group・佐野 「炎ゆる雲 ボール回した 帰り道」 4位

”外でたくさん遊んだ帰り道、夕暮れ時に友達とキャッチボールをしながら歩いて帰った。帰った後かき氷を食べた”という句。
季語【炎ゆ】[夏]:万物が燃えるような熱気
梅沢さんが炎ゆる雲というのは炎天下のものすごい暑さのことを言うから夕暮れだとどうなるか…と言ってました。
俳句とメロディーが降りてきたと言っていた佐野さん、このあと衝撃の展開です😲

夏井先生「まずは季語を確認いたしましょう。”炎ゆる雲”、これ何が季語かって言うと”炎ゆ”っていうここが季語になるんです。”炎ゆ”というのは、照り付ける太陽の下でもう全ての物が燃え上がるかのような熱気に包まれていると、そういう熱気をはらんだ雲ってこういう意味なんです。これは夕焼けなんですね?」
佐野さん「はい、夕焼けです」
夏井先生「はい、わかりました」
佐野さん「夕焼けじゃないです!」
夏井先生「今さら言っても無理です。季語のこともちゃんと調べずに、これを作っているというのが今わかりました。ですからこれはこのまんまではいかんね。えー、マイナス10点ぐらいにしてください。」
清水アナ「マイナス10点ということは才能ナシに降格です。お二人、席入れ替わってください」(4位と5位の席を入れ替わる)
夏井先生「順位と点数はまさにこれです。じゃあどうするか。これが間違ってますね。(”炎ゆる”を消す)夕焼けだったんでしょ?そしたら夕焼けなら夕焼けって書いたらこれ立派な季語ですからね。”夕焼雲ゆやけぐも”でもいいし、”や”を使いたかったら”夕焼や”ってやってもいいですね。『夕焼や ボール回した 帰り道』こうしたらあなたの言いたいところに言葉はちゃんと寄っていきますね。寄って行ったとしても凡人なんですけど」

なんと10点マイナス!!😲順位が入れ替わるの久しぶりですね~。
この減点でAぇ! group・佐野さんが才能ナシ5位になりました😭
季語がとにかく大事だってことは『プレバト!!』ファンとしては当然の事ですね😓

そして1位は、短大で俳句と短歌の授業を取っていたという野村さん。

野村麻純 「まどろみの 友は臨月 夏氷」 1位

”かき氷は食べないとすぐ溶けてしまう。臨月の友達が出産の日をゆっくりまったり待っている。溶ける速さとまったりの対比を詠んだ”句。
季語【夏氷】[夏]

夏井先生「これはほのぼのといい句でしたね。夏氷を一緒に食べようと持ってくる、そうすると臨月の友がそこでこう、うたた寝をしていると。ああ産まれる日、出産の日をゆっくりと待っているんだなぁと優しいまなざしがちゃんと伝わってきますね。可能性としては、”臨月の友はまどろみ”ってこっちから持っていくやり方もあるんですが、でもこの順番の方があなたのお気持ちが素直に伝わってくるかなと思います。せっかくの学びですから大事に育ててくださいね」

さすが1位の句だなと。調べたんですが「夏氷」も「かき氷」も同じ夏の季語で意味も同じでした。夏氷の方がいい雰囲気のような気がします🤩

次はこがけんさんの句です。

こがけん 「高原の氷菓 エスプーマの瑞煙」

”那須高原に行った時、かき氷を頼んだら上にエスプーマが乗っていた。それが高原にかかる雲のようだ”という句。
季語【氷菓】[夏]
瑞煙:山や川にかかるめでたい兆しの雲や霧
昇格試験ポイント:「エスプーマの瑞煙」の是非
特待生4級 1ランク昇格→ 特待生3級
先生からの一言「ほどよい落差」

夏井先生「比喩というのはね、本当に難しいんですよね。比喩がなぜ難しいかっていうと、A(エスプーマ)とB(瑞煙)としたときに、このAとBの落差がないと比喩として面白くないんですね。思いもしなかったけれどもこういう風に言われたらあぁ!なるほどと思うと、この落差が必要なんです。それをいい落差でおさめてきましたね。ただね、季語をもうちょっとだけ印象深く残す手立てが1個あるんです。それやってたらね、2つ上げてあげたいくらいなんです」
こがけんさん「ちょっと氷菓が弱いかな、エスプーマが勝つかなと思ってたんです」
夏井先生「その通りなんです!氷菓を強くするだけなんです。比喩から行ってこっちに行く。『エスプーマの瑞煙 高原の氷菓』最後に氷菓の映像が残るでしょ?あ、そうか、この氷菓にエスプーマのあれが乗っかってんのねって。これをちゃんと大事にしてあげたら、私は本当に2ランクって言いたいくらいでしたよ」

やっぱり上の方の人は比喩も上手いですね~。(梅沢さんは大げさだと言っていましたが😅)比喩ってありきたりになったり、大げさになったり加減が難しいですもんね。

最後は梅沢さんの俳句です。

梅沢富美男 「秋淋し 宇治金時の ほろ苦く」

”秋が来てもまだまだ暑い。かき氷の中でも宇治金時は地味で少し淋しい感じがするので、それをかけて”詠んだ句。
季語【】[秋] 

夏井先生「かき氷って言うとね、どうしても甘いとか楽しいとか明るい表情とかそういう方向に行くんですよね。でもかき氷の中にもこういう側面はあるよと、そこに目を付けようとするっていうところがま、おっちゃんならではのと思いますよ。で、おっちゃん自身が苦く感じているわけですから、それ以上の第三者がどうこう言えないんですけれども、もし、この句が私の句であったとすれば、私は淋しと苦くがちょっと近いかなってそこは気になるんですね。私ならこれを”苦く”じゃなくって、あ、ちょっと書いてもいい?おっちゃん。直しじゃないんですけど、私なら逆に甘くって持ってくるかなと思って。『秋淋し 宇治金時の ほろ甘く』って。そしたら宇治金時だけはほろ甘いけど、秋というのも私の人生も淋しいではないかと、こんな感じになるでしょ?おっちゃんが言いたかったのがこっちだったとしたら、あの、お見事取り消しましょうか?」

夏井先生の添削の方がなんかいいなと思ってしまいますね😅
俳人の先生によって評価も添削後も変わりそうですね。
梅沢さんは「お見事」が続いてますね!調子良さそうです😆

次回は8月22日です。

こがけんさんの俳句から…
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