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【プレバト!!俳句】6月20日<後編>|詳しい解説&感想まとめ

6/20後編 プレバト!!

6月20日放送『プレバト!!』続きです。

前編はこちら👇

テーマは「雨の行列」です。
テレビで発表された順にいきます。

水田信二 「夕虹の列 前の男の 傘当たる」 2位

”夕方に虹が出ている。晴れていて気分がいいはずなのに、列で並んでいる前の人が傘を斜めに持つからそれが自分に当たったり、当たりそうになったりでイライラする”という句。
季語【夕虹】[夏]

夏井先生「小さな迷惑という、これも俳句の種になるんですね。上五のところ、「夕虹や」と上五を5にすることはできるんですけど、ここに「列」があるから、前の男との距離感がちゃんとわかると。それを判断してくださった上での上五ではないかなと。ちゃんとこっちに伝わるわけです。そして、前の男の傘が当たると。さっきご本人はこうやってななめに持ってるっていう風におっしゃいましたが、虹が出てるのも気づかずに傘差したままっていうならもっと迷惑ですよね。こんな綺麗な夕虹が出てるのにそれに気づかない。無粋な奴が傘を広げて迷惑かけてると。そういうところまでちゃんと、「当たる」だけで色々な当たり方が想像できるような仕組みになってるんですね。なかなかうまいもんじゃないかと思ったら、何とこの男だったと。もうびっくりしております」

よかったですね。水田さん。笑
わかりやすいし、想像しやすいし、こういう句が評価が高いと安心します。
難しい句を褒められていてもピンとこないことがあるので😅

続いては、

モモコグミカンパニー 「イヤホンに 囁く推しや 梅雨じめり」 4位

”ライブ会場の開場前に、お客さんたちがライブハウスの前にズラ―っと並んでいて、もう少しで推しに会えるけど、イヤホンで聴いている”という句。
季語【梅雨じめり】[夏]

梅沢さん「ま、わかりませんけどね。非常に取り合わせは良いんですよ。これが67点で止まっちゃったってことは、語順なのかな?」
夏井先生「これはですね、おっちゃんの指摘が当たってるんです。おっちゃんね、人の句のことはちゃんとわかるんですね。素晴らしいと思います。この「や」の詠嘆ですけれども、これはすぐ上の言葉を強く詠嘆するんですね。もちろん推しですから、「推し」を詠嘆したいお気持ちはものすごくわかるんですよ。わかるんだけど、俳句として考えた時に、ここが強すぎて季語の印象に対して損をしていると。俳句は季語が主役になって頂きたいわけですから、そこ微調整するとですね、俄然良い句になるんです。それをやってみます。イヤホンに「推しや」じゃなくって「推しの」と来てこっち「囁く」じゃなく「囁き」とするんです。『イヤホンに 推しの囁き 梅雨じめり』そうすると耳に囁きがこう残りますね。で、その残った囁きは耳に皮膚感のような感じで残ってくるような音ではないでしょうか。そうなると「梅雨じめり」こっちの季語も皮膚感の季語ですね。ですから、ここ皮膚感でちゃんと繋いでくださると、季語「梅雨じめり」がちゃんと主役になる。推しよりもこっちが主役。これにしてくださってたら2位は確実だった」

おー、なるほど。「囁き」と「梅雨じめリ」の皮膚感。
やっぱり、季語を大事にしないといけないですね。確かに、山ほどある季語の中でなぜそれを選んだか、そしてそれを俳句の中でどう生かすかが大事ってことですね。
今回は、全員悪い点の人がいなくてレベル高かったですね~。

では次は最下位。

高橋光臣 「梅雨晴れや ぴょんぴょん跳ねる 親子傘」 5位

高橋さんは、お子さんが2人いるそうで、”子供が梅雨晴れの後の水溜まりをぴょんぴょん跳ねている。親子で傘を持ちながら楽しげに待っている”そんな句です。
季語【梅雨晴れ】[夏]

夏井先生「大きな問題点は二つですね。頭で「梅雨晴れや」と詠嘆までしているのに、最後に傘が出てくるので、これ一体なんで傘がいるんだろう?と。そういうところの疑問がひとつ。そして、もう一つは「ぴょんぴょん」とあれば「跳ねる」って書かなくてもも跳ねてますよねっていうこういう話ですね。まずこっち。親と子供の傘がありますっていう風に「親と子の傘の」ってやったらああ、雨でも降ってるのかな?と違和感なく読めるわけですね。「親と子の傘のぴょんぴょん」とこうなったら「跳ねる」なくてもいけますね。差したままぴょんぴょん喜んで跳ねてるような親子のかわいらしいシーンかなってそういう映像浮かびますね。そしてこっからです。梅雨の晴れとやってもいいんですけども、ぴょんぴょん跳ねていてしかも、今雨が上がったかのようなニュアンスを作るのであれば、こんな素敵な季語があります。『親と子の 傘のぴょんぴょん 梅雨の蝶』っていう。(梅沢さんや村上さんの歓声)きれいでしょ?梅雨が晴れると蝶々が飛び始める。こういう季語です。動きが出てきますね。これやれてたら才能アリは当然になるわけです」
梅沢さん「先生変えればいいんだよ!」(村上さんに向かって)
浜ちゃん「村上から変えた方がいいってことですか?」
村上さん「今度ぜひ話聞きに来てください」

梅雨の蝶 〔夏の季語〕 梅雨の晴れ間を飛ぶ蝶のこと

きれいな季語ですね~✨テレビを見ているとつくづく季語の大切さがわかりますね。
あとは、やはり臨場感でしょうか。動きとか感触とかそういう臨場感を伝えるって大事ですね。

高橋さんは村上さんを先生と慕っていて、梅沢さんはそれがそうとう悔しいみたいでめちゃめちゃ絡んでました💧

次はNEWS・小山さんの解説です。

NEWS・小山 「梅雨寒や こぞって並びし ワンタン麺」 3位

”実家がラーメン店を営んでいて、雨が降ると寒さでお客さんが集まってくる。それで行列ができて、音の馴染みがいいのでワンタン麺にした”と。
季語【梅雨寒】[夏]

梅沢さん「もったいない!中八を中七にしときゃ、もしかしたら1位だったかもしれない。惜しい!」
村上さん「ま~そうねぇ、ん~、そうね~、悪くないけど・・・ワンタン麺が寒いと食べたくなるっていうなら、梅雨寒じゃなくても冬の季語でも合ってしまうっていう(ゴニョゴニョ)」

ここの村上さんのコメントに注目です😃

夏井先生「ま、これは、何が問題なのか。これはもうおっちゃんの言う通りですよね。中七というのは極力7音にするというのが俳句の定石のひとつなんです。さらにこの「し」っていうのは過去の意味になるんですね。ここに過去の意味が入ると季語の鮮度が落ちてくるんで、「今並んでいる」という風にした方が季語の鮮度・ワンタン麺の鮮度も上がるでしょ?もう簡単なことなんです」
浜ちゃん「『ぶ』や」
夏井先生「その通りです。今誰かが言いました」
村上さん「浜田さんです」
夏井先生「おっちゃん?浜田さんですか。浜田さん才能アリです。「並ぶ」ですこれは。『梅雨寒や こぞって並ぶ ワンタン麺』こうするだけで問題はなくなる。ただし!村上さんかな?さっきモゴモゴモゴモゴなんか言ってたじゃないですか。あれはどういうことかって言うと、寒いからあったかいワンタン麺を食べたくなると。この発想が凡人に軸足が残ってるわけですね。だから季語は寒けりゃいくらでも動かすことができるんじゃないかと。そういう指摘を彼はしようとしたんだと思いますがモゴモゴ言ってただけでした。
村上さん「ちょっとね💦応用編過ぎるかなと思ってね💦」

さすが、村上さん!
本当に俳句の知識がハンパないなと思います😆
あとは、いつもの大好きなやり取り!夏井先生が言ったことに浜ちゃんが正解する場面!
あ~、浜ちゃんに俳句作ってほしい~!🤩

最後は1位のIKKOさん。

IKKO 「タクシー待つ 単衣鴇色 雨曇」 1位

”たいせつな人に会うためにタクシーを待っていたんだけど、天気が急に変わってきて仕立てたばかりの着物が濡れるとちょっと悲しいな”という句。
季語【単衣】(ひとえ)[夏] 裏地のない夏物の和服のこと
鴇(とき)って漢字が読めなかった~💦

夏井先生「軽やかに良い句ができましたね。まず頭の「タクシー待つ」と言っただけで、場所とか場面・人物も一発で出てきますよね。非常に効率の良い上五を置きました。そしてこっからです。単衣のあとに鴇色、これが良いですよね。鴇色というのは、明るいちょっと灰色味がかった柔らかい桃色のことなんですね。ほんのりとしたその柔らかい上品なピンク色が出てきて、雨曇という風に灰色のイメージがここで出てくる。そしたら、ピンク色と灰色の対比も出てくるわけですよね。なによりも声に出したときにね、「タクシー待つ 単衣鴇色 雨曇」もう、すぐに覚えてしまうようなこの調べが俳句の命でもあるわけですね。もうこれだけできたら上等ですね」

きれいな句ですね。場面も色の対比も出てきて俳句のテクニックを使っているって感じです。
でも、素人目線で見ると、ふむふむなるほどねって感じで…。
先生の解説を聞くとすごい考えられてるんだなってなるんですが💧俳句って聞く方も知識がないといけないですよね💦

次は永世名人、村上さんの句。第一子ご誕生おめでとうございます!
隠してたわけじゃないのにニュースになってなかったという…😅

フルポン村上 「五月雨の 傘をはみ出る アンナヴァン」

”町とか歩いてるとたまにバレエを習ってるんだろうなって子が手とかバレエの指とかをやっている。バスを待つ間でもバレエの練習をしている”様子の句とのこと。
季語【五月雨】[夏]
アンナヴァンの馴染みが無さ過ぎてみんなちょっとぽかんとしてましたね💧
アンナヴァンとはバレエのポーズの名前らしいです。
梅沢さんが「失敗こいたね。傘をどうやって差すんだ、片手なら片手アンナヴァンって書けばいい!」ってうれしそうに責めてました😅(そして高橋さんが村上さんを先生だと思ってることにまた絡んでた)ボツ!って言われた時の梅沢さんのうれしそうな顔!🤣
先生からの一言『どういう状況なの?』(梅沢さんにっこにこでした💧)

夏井先生「私もおっちゃんとほぼ同じようにですね、アンナヴァンがわかんない。調べる。あ、こういうことだとわかった瞬間に「どういう状況なんだろう?」と。片手でもアンナヴァンと言うんだろうか?とか、色々微妙に小さな疑問が浮かんだっていうのが一番大きいでしょうかね。で、おっちゃんの指摘のように「片手の」っていうのをちょっと書いてあげるだけでも親切なんじゃないかなって思うんですね。ま、どっちにしても、「はみ出す」という描写にこだわるよりは、読み手への配慮のようなものがあった方が絶対いいと思いますね。そうなったら簡単に考えると「五月雨の傘よ」ぐらいで軽く詠嘆しといてここに「片手のアンナヴァン」ぐらいにしてくださったら意味はわかりやすくなりますね。『五月雨の傘よ 片手のアンナヴァン』もう一つちょっとだけ言わせてもらうと、例えばこれ「梅雨」ってやったら音数がちょっと節約できますね。やってもいいかな。どうせボツだから書いてもいいね」🤣
梅沢さん「焼いた方が良いんです」
浜ちゃん「ひとの事やと思って」
夏井先生「梅雨の傘にして、ここにね、「軽し」くらいの描写を入れると『梅雨の傘軽し 片手のアンナヴァン』そうすると軽い傘を軽々持って軽々やっているっていう風な表情がちょっと出ますよね。ねぇ?おっちゃん出るよね?」 
梅沢さん「その通りですよ!」
夏井先生「こっちの方がいいよね?」
浜ちゃん「村上さんはどうですか、こうやって直されてみると」
村上さん「先生に直された方がいいですけど、なんか不快ですね。いいのはいいですけど」笑

残念でしたね~。アンナヴァンという言葉が知られてないことで状況がパッと浮かばないのがよくなかったですかね。専門用語って1回調べないといけないからワンクッション状況把握が遅くなるんですよね。それって結構不利な気がする。意味調べたあとで、おーって感心するようなことが無い限り難しそうですね。
村上さんの句集完成に必要な俳句は残り15句のままです。

さて、最後は特別永世名人、梅沢さんの句の解説です。

梅沢富美男 「遥かなる 長持唄の 喜雨をゆく」

”雨が降っているときにお嫁さんが歩いているのを見た。結婚式に雨は嫌だなんてとんでもない、お祝いの意味も含めた雨である。その時に長唄が流れていた。こういう風情は良いな”という気持ちを詠んだ句。
季語【喜雨】[夏] 日照りが長く続いた後に降る雨のこと
長持唄(昔の結婚式で嫁入り行列の際に歌われた祝いの唄)知りませんでした・・・。
査定前に村上さんが「とにかくダメであってほしい」って言ってて面白かった🤣

夏井先生「まずこの上五なんですけれどもね、ややもするとイメージで終わってしまう、イメージとして使われがちな言葉なんですけれども、この句の場合はちゃんと距離感として映像になっていると。そこをまず褒めましょうかね。遥か向こうの方から花嫁さんの行列が動き出している、小さく見えるって感じでしょうかね。そして長持唄が聞こえてくるわけです。その「の」のあとに、今度「喜雨」というこの季語が出てくるんです。日照りの時にやっと降ってくれた雨のことを喜びの雨と書いて「喜雨」と、そういう風に言うんですね。遠くから花嫁行列が見えて長持唄が聞こえてきて、そして、やっと待ちに待った雨が降り出してくれたと、そんな光景を描いているわけですね。本当にさすがです」

連敗記録ストップでよかったですね!
現代の風景というより昔の映像って感じですが、ストーリーになってますね~。喜雨がおめでたい意味なので合ってるんですね。

ま、この後、「ネタがない」って清水アナに愚痴ったことで怒られるんですが🤣

次回は7月4日です。また1週空く~💦

今回のお題からこちらを紹介。
とってもかわいいフラワーモチーフの傘です🥰
日本では傘のプレゼントって末広がりで縁起がいいらしいですね😮
憂鬱な雨の日でも使うのが楽しみになりそう🎵