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【プレバト!!俳句】8月29日<後編>|詳しい解説&感想まとめ

プレバト!!

8月29日放送『プレバト!!』夏の他流試合スペシャルを詳しく解説していきます。

前編はこちら👇

テーマは「たまご」。

プレバトメンバー5名と夏井先生が全国から選りすぐった小中学生選抜5名が1VS1で戦います。
小中学生選抜メンバーは小学2年生・ふみかさん、中学1年生・さなさん、中学3年生・かりんさん、小学3年生・かいとさん、小学5年生・すばるさん。
夏井先生が尊敬する俳人の3名の先生方(西村和子先生・高野ムツオ先生・井上康明先生)が10点満点で審査して5試合し、合計でチームの勝敗を決めます😊

第一試合

ふみかさん 「きょうりゅうの しそんのたまご まくわうり

”鳥の図鑑で恐竜が鳥の子孫だと知った。いつも食べている卵も恐竜の子孫ということになる。甜瓜は家で育てていて卵に形が似ているから”という句。
季語【甜瓜まくわうり】[夏]:メロンの変種

千原ジュニア 「露葎 槌の子誘く 卵三つ

”槌の子が生卵が好きらしいと聞いた。兄のせいじさんとその友達の青木君と朝に3人で、生卵を持って行って槌の子を捕まえようとした”という句。
季語【露葎つゆむぐら】[秋]:露の水滴が付いた草

ふみかさんがジュニアさんの句に説明っぽい気がすると言っていました😅ジュニアさんかなりショック受けてましたね💦

西村先生 10-9  小中学生選抜
高野先生 10-8  小中学生選抜
井上先生 10-9  小中学生選抜

合計   30-26 小中学生選抜勝利

📚先生方の批評
西村先生・・・ふみかちゃんの句は素直で想像力が豊か。まくわうりが恐竜の子孫の卵かもしれないと思ったというのはとても共感を呼ぶ。
高野先生・・・(ジュニアさんの句について)ふみかちゃんのひとことが全てを物語っている。卵三つが説明的でインパクトがない。

夏井先生「もうね、これはね、このジュニアさんの句の”そびく”っていう動詞のせいが一番大きいんじゃないかなと。先生方もこれに一番ひっかかられたと思うんですね。露葎と槌の子の取り合わせはおもしろいですしね。私も不思議に思ったのが三つっていう数字にどこまでこだわりがあるんだろうと。聞いてたらお兄ちゃんと青木君?3人て。それは読者にとってはあんまり必要じゃない情報かもしれないですよね。ま、誘くって書きたかったお気持ちはめちゃくちゃわかるんですよね。ここ3音しかないから、誘くを辞書で見つけた瞬間「やった」って思ったでしょ?ね、絶対思ったと思います。でもこれが動詞として作品から浮き上がってしまうと、でこれでね、おびき出すってやったらここでその空気作れるから『露葎 槌の子誘き出す 卵』でいいんじゃないかなって今思いましたね。とにかくジュニアさん、これは辞書が引けるあなたの負けでした」

そびく】:さそいをかける・だましてさそう。現代用語では「おびきだす」

いや~、ジュニアさんがせいじさんのこと好きすぎるのよ😓すぐ俳句に入れたがるんだから~💧あと、子供と戦うから難しい言葉を使いたくなっちゃったのかな?って思っちゃいました😅

第二試合

さなさん 「曾祖父の出征 朱夏の卵焼き

”祖母が曾祖父がすごく卵が貴重だった時代に卵焼きが大好きだったという話を聞いた。きっと曾祖父の出征の日には卵焼きを特別に作ってもらって食べたんだろうな”という句。
季語【朱夏】[夏]

内藤剛志 「ゆで玉子 ていねいに剥く 台風夜

”子供の頃、台風が来てもテレビ中継も何もない。遠くから聞こえる風の音しかない中で高級食材だった非常食のゆで卵の剥く音だけが聞こえる”という句。
季語【台風】[秋]

西村先生 10-9  プレバト
高野先生 10-9  小中学生選抜
井上先生 10-10 引き分け

合計   29-29 引き分け

📚先生方の批評
西村先生・・・台風が来ているときにゆで卵をていねいに剥くというのは自分の心を落ち着かせようという思いもあるのでは。対比がすばらしい。ただ季語は少し不満で「台風」「台風」という言葉がある。
高野先生・・・台風を野分という言葉を使って”野分の夜”とやれば575になる。(「特待生5級なんだから」とチクリ😅)
季語【野分のわき】〔秋〕:秋の野を吹き抜ける強い風
井上先生・・・季語が朱夏である必要があったのか。
このあと高野先生は逆に朱夏がいいと思ったと言っていました。

夏井先生「この朱夏という季語にご本人のこだわりがすごいあると、積極的に受け止める人はここをプラスにするし、この限定が逆に赤と卵焼きの黄色の対比が逆にわかりやすい、意図が出過ぎるんじゃないかなと思う人と、それ評価がわかれるところだと思います。どっちかっていったら私は朱夏がいいかなっていう風には思ったんです。この句に関してはね。そしてこっちですよ。みんなが「台風来」にしろとか「野分の夜」にしろとか先生方がやり方を教えてくださったでしょ?夜をどうしても使いたかったら、こんなやり方もありますよ。”台風の夜や”くらいかな。”台風の夜や”ってやっといて逆から”ていねいに剥く玉子”ってやったら”ゆで”って書かなくても剥く玉子でゆで卵ってわかるでしょ?あなたがこの夜にこだわるのであれば、こんなやり方もできるんですが、さっき先生方がもっと素晴らしい季語をいっぱい教えてくださいましたから、もう一回、歳時記を見るところから始めましょう」
🖌添削後『台風の夜や ていねいに剥く 玉子

ここで浜ちゃんが、さなさんに感想を聞いたところ、「朱夏」の”しゅ”と「出征」の”しゅ”を重ね合わせたこと、「朱夏」の赤い色は戦争の血の色や日の丸の赤も表現していると聞き先生方が感心してました😊

しっかし、今回の夏井先生は、3人の先生方の意見を聞いてそれを尊重しつつ添削するのって大変そうですね💦ただでさえ、添削って作者のこだわっている部分を感じ取ってそれを残しつつ生かしつつ直すわけですし。自分好みに作り替えるわけじゃないですもんね。(たまにほとんど原型を留めないほど直される時もありますが)

第三試合

かりんさん 「休暇果つ 焼豚玉子飯 甘し

”焼豚玉子飯というのは愛媛県今治市の郷土料理。夏休みが終わる少し寂しい日に甘いタレの焼豚玉子飯を食べている”という句。
季語【休暇果つ】[秋]:夏季休暇が終わり新学期が始まること

Kis-My-Ft2・横尾渉 「秋郊のビストロ 放し飼いの軍鶏

”郊外の美しい所で美味しいビストロで放し飼いの軍鶏しゃもの卵料理が食べられる”という句。
季語【秋郊】[秋]:秋の郊外の野原

西村先生 10-9  プレバト
高野先生 10-9  小中学生選抜
井上先生 10-9  プレバト

合計   29-28 プレバト勝利

📚先生方の批評
井上先生・・・両方とも良い句。情景がパッと浮かんでトサカの大きな軍鶏が歩いている。おいしそうな卵ができるだろうと。焼豚玉子飯甘しはちょっとゴタゴタしている感じ。
高野先生・・・両方とも良い句なのは認める。だが放し飼いの軍鶏がどこで放し飼いしているのかが情景が見えてこない。
西村先生・・・秋郊というのは広い野原のこと。放し飼いにしているのは簡単に想像つく。(浜ちゃんが高野先生を倒すように小声で言ってておもしろかったです🤣)横尾さんの句は、この軍鶏の卵はおいしいに違いないと味覚の期待感を呼んでいる。

夏井先生「どっちも季語の使い方がとてもよかったなと本当にいい勝負でしたね、これは。もし勝敗を分けたものがあるとすれば、焼豚玉子飯のそのローカル食の認知度の問題だったかもしれないですよ。私は愛媛県人ですから焼豚玉子飯、甘いんです。そして甘いという言葉の語源は美味いなんですね。ですから、かりんさんのこの句のおかげで今治の焼豚玉子飯がもっと有名になればこの句に共感する人がもっと増える!」

焼豚玉子飯食べてみたいです😋この辺りから浜ちゃんが高野先生をイジり始めました😅さすがです。

第四試合

かいとさん 「立秋のたまご 水平線の色

”立秋の日に百均でおもちゃの卵を買った。その卵が薄い水色で水平線の色にピッタリだった”という句。
季語【立秋】[秋]

梅沢富美男 「ほの青き 地鶏の卵 秋の宿

”京都の花背にある有名な宿があるのだが、この部屋にはテレビも何もない。そこでは放し飼いで飼ってる鶏の料理が出る。朝、卵かけご飯が出るのだがそれが青い卵で、かき混ぜてる音がしーんとした静かな部屋に響いていて癒しになっている”という句。
季語【】[秋]

ここでジュニアさんが浜ちゃんに感想を聞かれて「(説明が)長いです」と言ってたんですが…本当に長かったです😙

西村先生 10-10 引き分け
高野先生 10-9  小中学生選抜
井上先生 10-10 引き分け

合計   30-29 小中学生選抜勝利

📚先生方の批評
高野先生・・・梅沢さんの句も秋の澄んだ空気が感じられて時間の流れを感じられるいい句だった。だが相手が悪かった。卵という小さな生まれたての生き物の典型を示しながら水平線のうっすらとした色を取り合わせたこの対比のスケールの大きさには敵わなかった。

梅沢さんが”百円ショップの卵だ”とちょっと反論してましたが、それは作者の作る契機であって我々の鑑賞とは違うと言っていました。なるほど。
ここで浜ちゃんが高野先生の話をさえぎってジュニアさんに感想を聞くと「長いです」って💦
梅沢さんにツッコんだ時からこのフリとツッコミをやるつもりだったんでしょうか😅

夏井先生「もうまさに今の会話だと思いますよ。どっちも本当にいい句なんだけどなんの小さな差があるかって言ったら、青と書かないで青をちゃんと感じさせていると。ここにかいとさんの句の良さが集約されてたんじゃないですか。今作者が、この句がかいとさんだとわかって、私が今まで知ってるかいとさんらしい感覚だなと、もうこういう所がこの人の感覚の素晴らしい所だなと。改めて感服いたしました。」

子供の比喩だと、純粋で素直で斬新で…となるけど、大人がやるとわざとらしくなるのか、難しくなりますよね。意外と俳句って子供の方が向いてるのかも…。今回も小学生の子達は勝ってますもんね。

第五試合

すばるさん 「なぜぼくは 食べられないの 星祭

”兼題写真を見て卵アレルギーを思い出した。自分には魚アレルギーがあるが、食べ物のアレルギーは大変で食べたくても食べれない。食べたいという気持ちを俳句にした”という句。
季語【星祭】[秋]:七夕のこと

中田喜子 「黄身ふるる 熱きふわとろ 今朝の秋

”休日の朝にあんかけの卵丼を作った。特別に丼の真ん中に黄身をポンと乗せた。「ふるる」の”ふ”と「ふわとろ」の”ふ”を合わせてみた”という句。
季語【】[秋]

お互いの感想ですばるさんは「熱き」はどうなのかと。中田さんは、説明を聞かなければ何が食べられないのかどうして食べられないのかこの句ではちょっと不十分じゃないかと。浜ちゃんが2人とも勝ちたいからってめっちゃ言い合いするって笑ってました🤣

西村先生 10-9  小中学生選抜
高野先生 10-9  小中学生選抜
井上先生 10-9  小中学生選抜

合計   30-27 小中学生選抜勝利

📚先生方の批評
西村先生・・・なぜ食べられないのかは今回は写真を見て卵アレルギーのことかって想像しますが、もっと想像を広げて世の中には食べ物が食べられない子ども達もいる。季語が星祭なので、そういう子供たちの願いも汲んだ句とも取れる。
高野先生・・・中田さんの句は「ふるるふわとろ」とリズムを生かしたらどちらが勝つかわからなかった。
浜ちゃんが「たまにはいいこと言いますね!」って最後までイジってました🤣
井上先生・・・本当にいい勝負。星祭は織姫と牛飼いが1年に1度だけ願いが叶う日、それなのに僕は食べられないものがある、せつない気持ちを星祭の季語にかけて表現している。

夏井先生「もう添削もしていただいて、語るべきも語って頂いたんで私の出番は本当ないんですけれども、(中田さんの句は)順番がもったいなかったなって思いましたね。そしてもうひとつこの、”なぜぼくは食べられないの”子供たちのつぶやきを全部拾い上げて、星祭という季語がそこに置かれていると、優しくて深くて広い良い句だなと思いました」

すばるさんの句は星祭の季語によって色んな解釈が生まれて壮大になってました。色んな解釈ができる句って評価が高いんですかね。
中田さんの句を夏井先生がちゃんと添削したのも聞きたかったです。

今回勝ったのは横尾さんだけでしたね。横尾さんはいつも行った場所をスマートにさらっと詠んでるイメージです。強烈な独特のエピソードって感じじゃないのにいつも評価が高くてほんとに上級者なんだなと。
なんとな~く、ちょ~っとだけ子供の句が贔屓されてると思うのは私が大人側を応援してたからでしょうか💦子供ならではの感性は俳人の先生方にとって刺激になるんですかね。

全ての勝負の合計は、140ー147小中学生選抜が勝利しました。
ところで、今回のプレバトの5人ってどう選ばれたんでしょうか?次回はプレバトも名人・特待生の中から選抜にして欲しい~!村上さんが出てくれたらいいな🥰

かりんさんの俳句に出てきた、焼豚玉子飯おいしそうですね!
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今治焼豚玉子飯世界普及委員会公認のタレです。