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【プレバト!!俳句】9月19日<後編>|詳しい解説&感想まとめ【金秋戦】

プレバト!!

9月19日放送の『プレバト!!金秋戦』の予選の詳しい解説です。

前編はこちら👇

テーマは、Cブロック「1人旅」です。

Cブロックは、

犬山紙子さん、千賀健永(Kis-My-Ft2)さん、武田鉄矢さん、中田喜子さん、パックンさん

テレビで発表された順にいきます。

武田鉄矢 「山の宿 昭和のままの 虫の闇」 4位

”田舎町に行ってフォークソングを歌いに行き、山の宿にいたら古い宿なのであちこちに闇がある。その闇の中に虫の音が聞こえてくる。その闇の色が昭和の音だった”という句。
季語【虫の闇】[秋]
藤本さんと横尾さんが「ままの」がいらない、説明っぽいと言ってました。

夏井先生「表現したい内容に、トーンの似合った言葉がちゃんと選ばれていると、そこらへんは良く考えてらっしゃると思いますね。じゃあどこが気になるかって言ったら、これはね、永世名人お二人が指摘した部分、私も全くその通りだと思いますね。”ままの”っていうここがなんかちょっとひっかかるなと、そのなんかちょっとひっかかるっていうのがやっぱり説明的な言い方になっていると、こういうことでしょうかね。さあどうしたものかと思ってたんですが今ご本人のお話の中に、あらいい言葉があるじゃないと思いましたね。”ままの”の代わりにちょうど入る言葉ありましたよ。この虫の闇がまるで昭和の色であるかのようにって。”昭和の色の虫の闇”ってやったら説明ではなく映像にぐっと近寄りますよね。で、あともう1つ、山の宿でももちろんいいんですが、ここ「や」で一回切った方が、一句の姿がしまったりするんですね。ですからこのまんまでもいいけれど、という条件付きで、山の宿と書いて”やましゅく”とか”やまじゅく”とか読むんです。”しゅく”のほうが昭和と響くかなと思うので『山宿や 昭和の色の 虫の闇』調べがこうキューっと立ってくるでしょ。ほんの小さな小さな所だったんですけれどもね」

作った人が説明している時に俳句に合うフレーズが出てくることよくありますよね。あの現象なんなんでしょうね😅「虫の闇」って季語、詩的ですね~。

続いて5位の発表です。

パックン 「退職金一括 金秋の四季島」 5位

”退職後、退職金を使って豪華寝台列車に乗りたい”という句。
季語【金秋】[秋]
TRAIN SUITE 四季島:全室スイートタイプの列車
横尾さんが文字だけ見ると列車を買ってるんじゃないかと思ってしまうと。
藤本さんが大富豪の話?と言ってました😅

夏井先生「発想を飛ばそうとしてるのも悪くないし、その金秋っていう季語の選択も悪くないんですよ。悪くないんだけどこっちから読んでいった時に、一人旅というよりは、退職金全部使って島買ったのかと私も思いましたよ。もうすごいどんな金持ちが今日出てるんだろうと思いましたね、これは。で、今お話聞いたら退職金使ってちょっと贅沢な旅をして、この豪華列車に乗りたいとそういうことなんですね。だとしたら、もうここらへんを諦めてくださるだけで、一発でちゃんと言いたいことは分かりますよ。退職の旅行ですね。”退職の旅”、ひとりまでは入らないので”旅よ”くらいまででしょうかね。『退職の旅よ 金秋の四季島』こうやると言いたいことはちゃんと入るし、誰も島買ったとか列車買ったとか誤解する人はいなくなりますね。とにかく「一括」っていうここの意味を変な風に使ってしまったと、これにつきますね」

たしかに、退職金で島買う話みたい😓
四季島が豪華列車だとわからないと確実に誤解しますね💧

次は4位の発表です。

中田喜子 「ひとすじの秋水 ひとり旅とどめ」 2位

”一人旅は危ないと言われていたがどうしても秋の蓼科たてしなに行きたくて、人気のない別荘地を散策していたら、歩道に線を引いたかのような水がが流れていた。なぜかそれが気になってそそくさと戻ってきた”という句です。
季語【秋水】[秋]:秋の澄み切った水

夏井先生「えー…、ご本人の説明と、この文字づらとの間に今、隙間があると言うことを私は認識しましたけれども、でもこれだけ見たら綺麗な句ですよ。歩道を横切ってとかじゃなくって、一筋の澄んだ秋の水がスーッと流れていると、そして、この美しい一人旅を私は胸にとどめて旅を終えましょうと。そういう解釈でこの順位にしているわけです。…ちょっと違ってたね。もう中田さんしゃべらなければ良かったんですよ。逆に。だって美しい句ですよ、ちょっとだけ不安に思ったのが、この”とどめ”っていうのがこの旅を私の胸にとどめて旅を終えるっていう解釈でいいのかどうか、そこだけちょっと迷いがあってのこの順位だったんですが、今ご本人の話を聞いて2位でよかったと思いました。2位は正しかったと思いました。歩いて行って行かない方がいいと思って引き返してきたってそういうことですよね。そのニュアンスだけここにちょっと残しましょうか。『ひとすじの秋水 ひとり旅の果て』こういう風にすると、あなたの思いに少しだけ言葉が寄るかもしれませんね。でも綺麗な句だったと思うんだけどね」

私の場合「とどめ」で思い浮かぶのは、”心にとどめておく”か、”とどめを刺す”かになっちゃいます😅
この句の場合、行くのをとどまるってことですよね。とどめって日本語として使うことはあるんでしょうか?💦

次は最下位と1位の発表です!

犬山紙子 「月白や 温泉にいる 吾と腫瘍」 3位

”腫瘍があって来月、手術の予定がある。月白のほんわかした月を見ながら温泉の中で私もあるし、腫瘍もあるなと思っている。温泉で治るわけではないけどリラックスしている”という句。
季語【月白】[秋]:月が出ようとして東の空が白みを増す様子
横尾さんが「にいる」がいらない、説明になっちゃっていると言ってました。

夏井先生「まずこの”月白”という季語なんですけれどもね、山の向こうに月があって山の端のところがこう、ほんのり明るんでいると、これを月白って風に言うんですね。で、この季語とこっちの内容ですね、作者の思いにこの季語が寄り添いもしているし、この季語はこの季語でちゃんと主役に立っているし、良い季語を選ばれましたね、本当に思います。そして自分の中の病気というものを詠むときにはなかなか冷静になりにくいんですが、それを淡々と詠んでらっしゃる、その姿勢も俳人だなと思います。じゃあ問題は何か。もうこれはね、横尾さんの指摘ですね。”にいる”、ご本人もちょっとここ気になったんじゃないでしょうかね」
紙山さん「わざといれました~😓」
夏井先生「あ、そのわざとがだいたい失敗するんですよね、はい。で、もう1つ今回あの、「一人旅」というテーマがあるので、旅のニュアンスを少し入れてもいいかなとは思いました。毎日通っている近所の温泉に浸かってるっていう風な読みも否定はできなくなりますのでね。”月白や”、ここ(温泉にいる)をですね、旅を入れますよ、”旅の湯”ってやったらこれで多分温泉だと思ってくれますね。”月白や 旅の湯に”、ここからです。”吾と”この並列で並べているのがとても良いんです。この腫瘍の方を一つの存在だという風に表現しているのがすごいと思います。ですからここで念押しするんです。私の腫瘍が並列になる。詠みます。『月白や 旅の湯に が腫瘍』こういう風にすると私と私の腫瘍を対等にそこに置いて、一緒に旅の湯に浸かっていると。一句も厳しい感じになるでしょ。あなたの言いたいのはこれではないかと思います」
紙山さん「これです!吾が腫瘍です!」

犬山さんの句はなんというかクールでおしゃれですよね。病気を冷静に詠んでるのも自分と腫瘍を並列に並べているのもかっこいいです。
しっかし、添削後の句いいですね~!!
夏井先生の添削後ざわめいてました😆浜ちゃんもすごい驚いてる顔してましたし😊

そしてCブロック1位はKis-My-Ft2・千賀さんです!

Kis-My-Ft2・千賀 「清秋や 海にマンタと いるしじま」 1位

”休みができたら南の島に潜りにいく。マンタもウミガメと同じで見れたら幸運を呼ぶと言われている。実際に見た時の、マンタと僕だけがいる状態”を詠んだ句。
季語【清秋】[秋]:秋の澄み切った大気
しじま:静まりかえっていること
横尾さんがしじまで情景が浮かぶと言ってました。

夏井先生「まずはこの上五の詠嘆がすがすがしいですね。清い秋と書いて清秋。秋の澄み切った大気のことを言うんですね。そういう秋の澄んだ感じを表現する季語は他にもあるんですけれども、あえてこの清い秋と書いてこれを選んだっていうのは、こっちのフレーズとの関係も出てくるわけですよね。”清秋や”のあとに海が出てくると秋の澄んだひんやりした海の色もちゃんと伝わってきます。そこにマンタが出てくると、これ全部読んだ時にどこにもね、一人とも書いてないし旅とも書いてないんですけれども、この空間の中には一人の、しかも旅先での出来事に違いないという、そういう空間がパッキングされてますよね。マンタとだけの空間をしみじみと楽しんでいる。これを目当てにこの海に来たのではないかと、そんな風にも読めますね。大きな体験を、この季語を信じてやれるようになっているというのが、千賀さんだとわかったら成長だなと今思っておりますよ」

ふと、気づいたんですが、紙山さんと千賀さんの句ちょっと構成が似てません?上五を季語で詠嘆して、2つのものを並べて、”いる”を使ってるし。
千賀さんの清々しくて壮大な非日常感、あとしじまが良かったんでしょうかね。

Cブロック千賀健永さんが決勝進出決定です!

夏井先生が選ぶ残りの2枠は、
森口瑤子さん、立川志らくさんでした!

ということで、
金秋戦の予選通過者は・・・

的場浩司さん、森迫永依さん、千賀健永さん、森口瑤子さん、立川志らくさん

こちらの5名で決定です🎉

次回は10月3日です。
1週空くんですね~😵
次はとうとう決勝戦!楽しみに待ってます!✨

パックンの俳句からこちら。
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