10月10日放送『プレバト!!』俳句の詳しい解説です。
前編はこちら👇
テーマは「乗り物のドリンク」です。
テレビで発表された順にいきます。
知花くらら 「千筋なる 月光伸びて 珊瑚礁」 3位
”船に乗っている時の風景。月明りに照らされるゆらゆらした静かな美しい珊瑚礁”を詠んだ句。
季語【月光】[秋]
フジモンさんが”千筋”があるなら”伸びて”はいらないんじゃないかと言ってました。
夏井先生「月の光が、あえかな光がサンゴ礁にこう、ずっと及んでいくと実に美しい光景を書こうとなさったと、そこはいいと思いますよ。問題はフジモンさんがしっかりと見抜いて下さいましたね。」
フジモンさん「はい簡単でした~」
夏井先生「はい、ありがとう。”千筋なる月光”っていう段階で伸びているっていう映像は確保できているのでこれはいらない。で、俳句は17音しかないのでこの”伸びて”っていう所がとても損になると。この”伸びて”の3音はこっち(珊瑚礁)に使うのが綺麗かもしれませんね。『千筋なる月光 珊瑚礁しづか』くらいなら邪魔にならないでしょうかね。こうすると作品としては整ってきますね」
要らない言葉が入ってるパターンよくありますよね。
今週は本を出版しているゲストの方達ですが、知花くららさんは短歌の本を出しているそうです。俳句と短歌は全然違うと言ってましたが、季語もあるし長いものを短くまとめるのは難しそうですね。
次は、2位です。
市川紗椰 「単線の カーブに耐える 月見酒」 4位
”夜のローカル線(岳南鉄道)をイメージ。お酒を置いていてカーブに耐えて落ちないような感じ”を詠んだ句。
季語【月見酒】[秋]
フジモンさんが月見酒がカーブに耐えているという擬人化はちょっと…と。カーブに耐えているのは人じゃないかと思ってしまうと言ってました。
夏井先生「いや、フジモンさんちゃんと取り戻してるね!」
フジモンさん「当たり前!」
夏井先生「ほんとに!」
フジモンさん「何年やってる思てんのよ」
夏井先生「単線のカーブに耐えているのは、遠心力に耐えているのは人物で、でその人物が月見酒を飲んでるってそういう風に読まれる可能性の方がとても高いでしょうね。で、季語月見酒ですよね。月見酒っていうのはどういうニュアンスの季語かっていうと、月を愛でる心とか行為とかそっちに軸足があるんです。ですから、酒よりも月を愛でるっていうそういう人、の方が軸足、意味あるので、”耐える”が物の擬人化って読まれにくい。これが例えば冷や酒ぐらいならもうそのコップが耐えてるのかなみたいに読まれるけど…」
浜ちゃん「ワンカップでええやんワンカップで」(ぼそっと)
夏井先生「誰かが今、ワンカップ大関っておっしゃったじゃない」
フジモンさん「浜田さんですよ」
夏井先生「それお借りしたら、あなたの言いたいことに言葉を近づけることは少しできます。じゃあ月見酒と月を切り離しましょう。”月の単線”ってこっちに持っていきましょうか。でこっからです。ここで単線のあとにテーブルは音数取るので卓って言ってみましょうか。卓に傾く描写するだけなんです。でこれ、浜田さんのワンカップ。『月の単線 卓に傾く ワンカップ』あなたの言いたいことに近づきましたね」
ほえ~、7・7.5ですね。最初からこれを作れたらすごいけど…。
ほんと、擬人化は手出しちゃダメですね😅
月見酒はお酒のニュアンスより月を愛でる心や行為ってカッコイイ季語ですね✨
そして、浜ちゃんがボソッと言ったら夏井先生に褒められるのキタ!も~浜ちゃん俳句作って~😆
ちなみに岳南鉄道はテーブルじゃなくて横に置くタイプで卓に傾いてはないらしいです。浜ちゃんに知らんがな!って言われてました😅
次は2位です。
山崎怜奈 「郷の駅 コーヒー香る 星月夜」 2位
”祖父母の家に行くのに結構時間がかかる。ローカル線に乗ってやっと着いたと近くのコンビニでコーヒーを買ってほっとして、上を見ると一面満点の星空で落ち着いた気持ち”を詠んだ句。
季語【星月夜】[秋]:星空が月夜のように明るい様子
夏井先生「まず郷の駅、故郷の駅だという場所、それからコーヒーというものそれが香り立っていますよ。最後に星月夜。星が月のように明るい、そういう美しい夜ですよ。こういう風にそれぞれの情報がお互いを邪魔しない形で組み立てられていると、そこは良かったですね。語順逆でもいいかもしれないですね。見上げると今夜は星の明るい月であるかと、そこにコーヒーを香らせる。『星月夜 コーヒー香る 郷の駅』って。最後に上からずーっと、空から香りで駅が最後に出てくると、こういうやり方もあるということを1つ覚えて帰ったらいいかな」
先生の添削後の方は”郷の駅”の存在感が増すのかな?懐かしい場所に帰って来てホッとしてる感じがより出るというか…。香りも入っていてとても綺麗な句ですね☕
次は1位の小宮山祐樹さん。
…の前に「プレバト名俳句セレクション」をやってました💧
相当時間余っちゃったんですね…
小宮山祐樹 「缶酎ハイプシュッ 車窓に鰯雲」 1位
”ひとり旅で、缶酎ハイをプシュッと開けたところから旅が始まる。その高揚感と車窓から見える鰯雲をつまみに飲む”という句。
季語【鰯雲】[秋]
夏井先生「まずは缶酎ハイのアップから始まるんですね。で、そのアップの後にプシュッというオノマトペだけなんです。これもちろん、音、なんですけれども開けているっていう動作、映像がわかる。さらに開ける時の自分の指先の感覚ですね、触覚、そこもちゃんとこのプシュッの中に入っているわけですよね。そしてプシュッで映像が切り替わっています。車窓、ああ、車あるいは列車に乗っているんだと、その車窓に鰯雲がずーっと広がる。こっからこっちへのカメラワークがとても上手い、そしてリズムも軽やかですね。全体読んだ時に、旅を楽しむ気持ち、旅の高揚感、難しい言葉一つも使ってないのにそれらが全部入っていると。こういうのが俳句というものなのです」
鰯雲をつまみにっておしゃれですね😌ま、お酒好きな人はどんなものでもつまみにできそうですけど😙オノマトペの使い方が効果的ですね~。他の俳句も見てみたいです!
次は犬山さんの俳句です。
犬山紙子 「車窓のぬるいお茶 行けない二学期」
”二学期が始まるので電車に乗って登校中、学校に行きたくない、行けないので電車を乗り過ごしてお茶もどんどんぬるくなってしまった”という句。
季語【二学期】[秋]
昇格試験ポイント:「車窓の」から始まる効果の是非
特待生1級 現状維持
先生からの一言「人物は子ども?大人?」
夏井先生「私はどう読んだかというと、ここまで(車窓のぬるいお茶)は通勤かしらと読んだんですが、二学期が出てくるから、あ、学校だよねと。先生が職場に行けないんじゃないかしらと、そういう心配をしてしまったんです。で、それで大人なのか子どもなのかっていうその読みがそこからブレ始めると。それならばこっちからやった方がいいんじゃないかって思ったんです。『行けない二学期 車窓の ぬるいお茶』先に二学期っていう学校情報を出して下さったら、車窓というのがすっとくるよね。で、今聞いたら完全に子どもなんですね。それは車窓とあると家出したんじゃないかっていうそんな空気にもなりませんか。人物を子供に限定したいのであれば、今回のテーマからちょっと外れますけれども、水筒ぐらいにしとくと『行けない二学期 水筒の ぬるいお茶』って言ったら、近くの公園とかさ、下校のあたりでウロウロしながら朝持ってきた水筒のお茶だけがどんどんぬるくなっていくみたいな。で、今度、名人になるわけですから、私の望みとしてはきっちりとした定型の「見よ!」という王道の一句で堂々と名人になって欲しいと。私は願っております」
犬山さん「五七五で行きます!」
犬山さんのちょっと陰のある句、好きですよ😊でもこの句、ちょっと心配になりますよね…二学期の始めっていつもニュースになるし、まして電車だし💦
それに家出まで連想できちゃうって相当物騒な句だなと😅
あと、夏井先生に定型で作るように言われたのは確かに!と思いました。やっぱり定型が安心します😌
最後は永世名人、現在残り22句。フジモンさんの俳句です。
FUJIWARA・藤本 「タラップを 降りてバスまで 歩く秋」
”飛行機が空港に着いて、タラップを降りてバスに乗ってターミナルまで行く、バスまでの短い距離だけど肌寒く秋を感じた”という句。
季語【秋】[秋]
先生からの一言「力みがない一句」
夏井先生「このね~、秋のようなこういう季語ですよね。長い時間軸を持っているじゃないですか、秋、そのものがね。でこういうのをね、17音の俳句の中で使いこなすってのはなかなか難しいんですよ。それを肩の力を抜いてふわっと自分の感じたことをそのまんま言葉にのせると。詳しく言うと”タラップを降りて”ってここまではね、よくあるフレーズなんです。よくあるフレーズなんですけれども、こっからですよ、あの降りていく階段、バスまでの短い距離、短い時間の間に「ああ風が秋になってるな」とか「空が澄んできたな」「空が高くなってきたな」「空が秋になってるな」てのを見上げて思いながら、そのバスまでたどり着くと。この長い時間軸の季語を、短い距離と時間でしみじみとキャッチしてしまうと。歩くというのも何気なく書いてるようですけれども、バスまで歩くという距離、動作、人物全部ここに入ってくる。もうこれは、俳人の句ですよね」
正直言うと、「え、掲載決定なの?」って思ってしまいました😅
だってテーマの飲み物関係ないし…。
先生の言ってることはわかるし爽やかな句だけども…。
今回は、ジャンポケのあの人のあの件で所々、いつもと違う編集されてる~とか、ここ絶対切られたな…とか、右側の不自然な壁…💧とか、そういう番組の楽しみ方?もプラスされてそわそわしました😅
次回は10月17日です。
新潟の地酒の30銘柄をワンカップで飲み比べ。
新潟県は100前後の蔵元があるんですって。
ワンカップで30銘柄!
絵柄を見ているだけで楽しくなりそう🎵