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【プレバト!!俳句】11月14日<後編>|詳しい解説&感想まとめ

11/14後編 プレバト!!

11月14日放送『プレバト!!』俳句の詳しい解説です。
今回は全員が才能アリ経験者!
才能アリが3人、凡人1人、才能ナシ1人で浜ちゃんが「さすがやわ」って褒めてました😊

前編はこちら👇

テーマは「うっかりミス」です。
テレビで発表された順にいきます。

Travis Japan・川島 「ズレている マークシートや 虎落笛」 3位

”過去問を問いている時にマークシートがズレていた”という句。
季語【虎落笛もがりぶえ】[冬]:風が「ひゅうひゅう」と笛のような音を立てる
浜ちゃんが何の過去問か聞いたところ、総合旅行業務取扱管理者の国家試験のだと言ってました。(川島さんは青学卒で英語堪能、他にも宅建の資格を持っています!)

夏井先生「あの、マークシートがズレちゃったっていう発想の句がまぁ、ないことはないんですね、俳句の世界には…」
浜ちゃん「でしょうね」(かぶせ気味😅)
夏井先生「でしょうねって💧はい、でもありはするんだけど、虎落笛っていう季語を持ってくるあたりがなかなかね、勉強もなさってるしいいじゃないですかね。でまぁ、こっから後の、1ランクアップどうするかっていう話になっていくかと思うんですけれども、これ全体読んだ時に、”ズレている マークシートや”っていうここの調べがね、この状況に対して、ややのんびりしているというか。今過去問かなんかちらっとおっしゃったけど、読んだ人はまさに本番だという風に思っちゃうわけですから、”ズレているマークシートや”って悠長にあんた詠嘆している場合じゃないでしょみたいな、だからね、内容と調べというのは連動してもらいたいわけですよね」
浜ちゃん「マークシートからですよこれは…」(ボソっと)
夏井先生「そう、そうです!今誰かが言いました。私もそう思います。マークシートからだって私も思います」
水田さん「マグレでしょ、浜田さん」
浜ちゃん「マグレジャないよ。ずーっと見てきたんだから!」(浜ちゃん…!😭)
水田さん「え~、すげえ」(でしょでしょ!😆)
夏井先生「”や”の詠嘆もわかるけど、”マークシート”、でこれ、カタカナ書きにすると繋がってしまうので、ここはひらがなで”ずれ”、”ずれてる”ぐらいでちょっと慌てた感じを出してみましょうか。”マークシートズレてる 虎落笛”こっからこういきますね。”虎落笛の窓”ぐらいで、これが窓際の席で試験を受けてるようなそんな感じになります。「あ~やっちゃったよ俺」って窓をぼーっと見てるって、そんな感じになりますね。あなたはもう基本形きっちりできるようになってますから、季語の位置を少し変えた他のいろんな型があるので、そこをちょっと勉強していただいたら特待生もちゃんと手が届いてくると思いますよ」
🖌添削後『マークシート ずれてる 虎落笛の窓

で、出たーー!!
浜ちゃんが俳句についてボソッと言うと当たってるやつ!(長っ)
もはや『プレバト!!』の俳句コーナーの魅力の1つと言ってもいいのでは?😉

添削後の句がすごく状況も気持ちも想像できていいですね~。

次は、2位です。

IKKO 「帯留に 選ぶ翡翠や 返り花」 2位

”季節を忘れて合わせの着物なのに夏に合わせる翡翠色の帯留を冬に付けてしまった”という句。
季語【返り花】[冬]:草木が咲くはずのない季節に開花

夏井先生「もう句としては綺麗にできてるんですよね、これ。帯留・翡翠・返り花ってこの取り合わせも美しいですよね。じゃあなんでこれきちんとできてる句なのに、2位になるのかっていう話をすると、多分、特待生への道というののヒントがまた1個出てくるんですが、きっちりできてるんだけど、テーマとしてのうっかり感というのが、多少薄いと言えば薄いと。こういう物に精通している人じゃないとこれうっかりっていうのがピンと来ないと」
浜ちゃん「わからないと…」
夏井先生「でしょ?最初このパッとこの句が出た時に、名人のお二人のお顔があの、モニターに映ってましたけど「どこがうっかり?」みたいな顔して、それが」
浜ちゃん「話聞いて初めて分かったんですよね?」
村上さん「あ~帯留めに翡翠選んじゃったか~」
浜ちゃん「うそつくな!わかってなかったやろ」
夏井先生「だからそういうところちょっと頭に置いといてくださったらいいんじゃないかなって思いますね」

てことは、着物好きな人でも着物のネタを俳句に使いづらいってことですよね…。
人にあまり知られていないことをネタにするのは一か八か的な感じがします😣

次は4位です。

水田信二 「ごみ捨て場 両手見つめる 冬の朝」 4位

”冬の朝に、ゴミを捨てに行こうとしてゴミ捨て場に行ったら、ゴミを持ってきていないことに気づいた”という句。
季語【の朝】[冬]
村上さんは捨てるはずのゴミを持ってき忘れたというのはこの句からは感じ取れないと言ってました。

夏井先生「私もこれ読んだ時に、なんでこの人はゴミ捨て場で両手を見つめてるんだろうってそこを考えましたね。聞いてみるとゴミ袋持って行ってなかったですって、そういうことでしたね。だとしたら、言葉をしっかり寄せましょう。まずゴミ袋っていうのはもう書くしかないので両手の”両”はあきらめてください。ここで”ゴミ袋”って書きますね。”ゴミ袋”見つめなくていいです(”見つめる”消す)”ゴミ袋手に”。手にはありませんってこの状況を書きましょう。”手になく”、これであなたの状況が書けましたね。”ゴミ袋手になく”、あ、これも諦めてもらわないといけないな、”朝”も。”ゴミ袋 手になく 冬の”こっちです、”ゴミ捨て場”と。で、これでもいいんだけど1つ気づいたことがあって、”ゴミ捨て場”よりもこっちの言い方の方がいいかもしれない。ここ”ゴミ”カタカナにしたのでこっちもカタカナです。”ゴミ置き場”ってしたらどうですか。ゴミ捨て場って言ったら巨大なゴミ捨て場をのっけから思われる可能性があるから」
🖌添削後『ゴミ袋 手になく 冬のゴミ置き場

この後、水田さんが「みなさんを試させてもらった」だの、「いったん持ち帰って自分なりにかみ砕いてみます」とか言ってて、浜ちゃんと村上さんが「腹立つわ~凡人の癖に!」「謙遜しろよ!」と怒ってました。水田さんはブレないですね😅
シチュエーションとしてはほんとにうっかりミスって感じでしたけど、俳句にするにはちょっとドラマチックさが足りないような…。

さて、次は5位です。

大友花恋 「裸木や 露天にマスクつけ 浸かる」 5位

”露天風呂に入った時に、ずっとマスクをしてたのでそのまま付けたまま入ってしまった”という句。
季語【裸木】[冬]:全ての葉が散ってしまった木
村上さんが”裸木”と”マスク”が冬の季語だけど、詠嘆してるからマスクの方は薄れていると言ってて、大友さんが夏井先生のYouTubeでマスクの季語力が弱まっていると言っていたと。

夏井先生「確かにね、マスクというものの季節感が薄くなってるというのはみんなの実感ですよね。でただ、だからと言ってマスクが冬の季語でなくなっていると、存在感としてなくなっているという風に言うのはまだ早計に過ぎるというものかなと思いますね。でただ、村上さんもおっしゃったように”裸木や”とこっちを強く詠嘆してますから、季語の強弱としてあなたが意図した事はちゃんとやれてるわけですから、そこはまぁ良しといたしましょう。問題点はね、”つけ”・”浸かる”っていうここらへんありますけれども、この特に”浸かる”っていう音数の無駄遣いがもったいないのが1点、それからもう1つ、露天というのは基本的には屋根のないこう、あらわになっている場所っていうのが露天なので、きっちりとそこは書いた方がいいかなってここ、”つけ”って言わずに”マスクのままで”ってやれば、付けたまんまってわかるでしょ?で、その後に”マスクのままで 露天風呂”ってやったら”浸かる”って書かなくても浸かってるんだろうなってわかりますね。で、もう1ランクアップのことをもう1つだけ言います。”裸木”っていう季語を取り合わせたのは、ひょっとしたら、自分も露天風呂で裸で木も裸ってそこで似合ってるってそういう風に考えたんじゃないかしら」
大友さん「はい、そうです」
夏井先生「そういう風に考えると、これ”裸木”が主役の季語というよりは、ネタにされてるような味わいになってしまうんですね。そこがとてももったいないですね。『冬温し マスクのままで 露天風呂』とか気忙しくやるんなら『年の瀬や マスクのままで 露天風呂』とか色々やれますね。で、マスクを季語にしたかったらこっち季語じゃないものも置けます。『失恋や マスクのままで 露天風呂』そういうこともできるでしょ?そしたら次また上に行けますよ」

直しがいいですね~。年の瀬や失恋だとぼーっと別のこと考えててうっかりした感じも出ますね。
私もマスク付けたままお風呂入りそうになったことあります😅

次は1位の矢柴さんです。

矢柴俊博 「網棚に 置きし卒論 冬の朝」 1位

”朝までかかって卒論を書き上げて電車で読み返して朦朧としながら網棚に置いて座った。学校に向かった時にはなく網棚に忘れたんだと気づいた。それで留年した”という句。
季語【冬の朝】[冬]
森口さんが「このあとどうなったんだろう?」と色々想像できる句だと言ってました。

夏井先生「本当にね、エピソードを17音で書くのは難しいんですよね。これ見事じゃないですか!もう出来事を上五中七で淡々と書いただけなんですよ。成功のコツはもうとてもはっきりして、この網棚にうっかり置いた卒論という物だけを書くと。俳句というのはモノに語らせると。物を描くことでその背後をちゃんと理解してもらう。俳句のメカニズムというものを理解していないと「これでOK」って自分で思えないんですね。現状をもう淡々と描写しているだけなのに、この後どうしたんだろう?とか、その時の作者の心情というのはとか、それらが全部読み手の側にストレートに流れ込んでくる。さらにテーマの”うっかり”というのを見事に書いてしまっていると。今日はこれが1位なんじゃないですか」
浜ちゃん「先生、矢柴さんはあれらしいっすよ。じいちゃんばあちゃんに混じってスクール行ってるみたいですよ」
夏井先生「えらいですよ!そうやって自ら勉強するところが。続けてくださいね!」

矢柴さんはカルチャーセンターの俳句入門教室に通っているそうです😃
浜ちゃんが「水田も連れてって」と言ってて村上さんが「嫌われるでしょうねそこで。水田さん。人の句にあーだこーだ言って」って言ってました🤣

名人9段から名人8段になってしまい前回無念の降格、金秋戦では初の最下位になってしまった森口さん🥺
自分に腹が立ち、俳句は体力気力も必要なんだと、ウォーキングしているそうです🚶‍♀️

森口瑤子 「おでんは玉子 逞しき口内炎」

”口内炎がよくできるのだが、おでんは玉子が好きで必ず食べてしまう。つゆがしみるがそのうち口内炎も逞しく強くなってくる”という句。
季語【おでん】[冬]
昇格試験ポイント:「逞しき」がこの位置である是非
名人8段 1ランク昇格→ 名人9段
先生からの一言「企みが上手くいきましたね」

夏井先生「まあ口内炎の句も結構見るんですよ、みんななるんでしょうね(浜ちゃん「でしょうね」)。でもそれに対して”逞しき”って言い切れるかどうかって、もうここのオリジナリティーというのがずば抜けておりましたね。で、おでんは玉子が好きですって言いきった後に”逞しき”ってこの言葉が私たちの目の中に入っていくと、これを食べている人物が逞しいのかなとか、逞しい感じでがぶがぶ食べているのかなって一瞬脳が思うわけですね、上からずっと読んでいくからね。そうすると”逞しき”なのは”口内炎”なんだという風に意味が完全にこっちに来るわけです。そういう展開に持ってくるあたりがなかなかうまいですね、この企みがね。そしてこの破調、7・5・6になるんでしょうかね。この破調もこの句の内容にはとっても似合ってますから、これはこれで内容と調べがちゃんと企めていると。さすがだなと思いますね。10段目の前になりました。楽しみです」
破調の句:575のリズムをあえて崩して詠む

オリジナリティと破調が森口さんの句って感じですね~😃
私は基本の型の方が好きですが森口さんの突き抜けた句もいいですよね🎵
(『プレバト!!』の俳句で私が好きな人は、1番は村上さんですが、犬山さんと森口さんも好きです~😊)

最後は村上さんの俳句です。

フルーツポンチ・村上 「雑巾に ガラス破片と 今朝の冬」

”ガラスの物を割ってしまった時に、雑巾で片付けていると雑巾に着いたガラスの破片に冬を感じる”という句。
季語【今朝の冬】[冬]:立冬の日の朝
先生からの一言「企みはさすがだが…」

森口さんが「”ガラスの破片”とこの”今朝の冬”は対等な感じ…?なんですか…?💦」と聞いて
村上さんが「ん?」ってちょっとピリッとしたリアクションしてて、
森口さん「え、えーと、雑巾に両方が感じた…みたいな」
(みんな困惑)水田さん「高度な質問が分かってない💧」
村上さん「感じません?床とかガラスとかの光とかに冬を感じているっていう感覚なんですけど。対等というわけではない、並列に並んではいるけど…」
っていう何だか気まずいやりとりに浜ちゃんが笑ってて面白かったです😅
(もちろん私も水田さんみたいに「???」ってなってました)

夏井先生「さすがですよね、これは。この句の中にはうっかりがダブルで入ってるでしょ?うっかりと何かガラスの物を割りましたと。そしてそれを今片付けてる。そしたらうっかりと雑巾にガラスの破片が残っておりますよと。2つもちゃんと入れて、そしてまさに今、冬が来ましたよという。立冬の傍題になるこの季語、ね、この意図もわかりますよね。じゃあ何に引っかかるかってこれね、森口さんもっと堂々とハッキリ言うべきですよあなた!やっぱりこれ気になったでしょ?森口さん」
森口さん「ハイ…」
夏井先生「なんで”と”なんだろうと」
森口さん「なんか企みがあるんだろうなと思ったんです、だから」
夏井先生「はい、大したものはなかったんじゃないですか、はい。その言いたいことはちゃんと伝わるんですが、並列に置いたことによって季語の勢いというのがちょっと弱くなるっていうんでしょうかね」
村上さん「”の”か…」
夏井先生「そう!そう!そうですよ」
村上さん「いやそっちも作ったんすよ」
夏井先生「~出せよ!はい、”雑巾にガラスの破片”ってしといて”今朝の”がちょっと悠長なんですよ、ここもスッキリ行きません?勢いよく。”今朝の”もかっこいいけど『雑巾に ガラスの破片 冬来る』ぐらいでいいんじゃないですか。そしたら動詞の方が勢いがありますよね、パキッとするしね。そしてこの自分の手にもまさに冷たい冬が来ているよ、これくらいやれば質の良い句集になるんじゃないですか」

村上さんと森口さんのやり取りがちょっとハラハラして面白くて、その後、夏井先生が森口さんの味方で、村上さんに当たりが強くてさらに面白かったです🤣
私、森口さんが質問してる時、まだよくわかってなくて夏井先生の説明でやっとわかりました😅
というか、夏井先生はダブルのうっかりって言ってましたけど、雑巾にガラスが付いてるのはうっかりなんですか…?片付け途中の雑巾のガラスに冬を感じたってことですよね…?💦
ま、どっちにしても、村上さんはあいかわらず着眼点がすごいなと思いますが、残念でした😣

次回は11月21日です。

村上さんの俳句からコチラを。
これなら強化ガラスだし背が低いから、倒しにくいし割れにくい😙
ドリンクはもちろん、ヨーグルトやスイーツ、前菜にもいいですね😋