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【プレバト!!俳句】7月4日<後編>|詳しい解説&感想まとめ

プレバト!!

7月4日放送『プレバト!!』続きです。

前編はこちら👇

テーマは「遅刻して走っているシーン」です。
テレビで発表された順にいきます。

関水渚 「夏の雨 電車が遅延 したことに」 2位

”本当は自分が寝坊したのに、ちょうど雨が降ってたから電車が遅れたということにする”という句。
季語【夏の雨】[夏]

夏井先生「本当は別の理由があるのに、というその感じを最後のこの「したことに・・・(てんてんてん)」て、ここの余白の所ですよね。そこにこう託しているあたり良いですよね。正直な句だと思います。このタイプの句はね、季語変えるとね、また色んな風に変わってくるんです。例えば、雨が降り終わった後、夕暮れの虹と書いて夕虹なんていう季語がありますね。『夕虹や 電車が遅延 したことに』こうすると夕立バーっと降った後にあら虹がキレイだわと、この虹に見惚れて、あ、電車遅延したことにしよう。そんな感じになりますよね。で、理由を全部変えることだってできるんです。季節が違いますけれども、『たんぽぽや 電車が遅延 したことに』ってやったらどんな感じになりますか?急いで行きたくもないし、何の理由もないんだけど、土手あたりでたんぽぽ見ながらもう今日は電車が遅延したことにしてバイトに行くのやめようみたいな。この季語を変えていくとまだまだ化ける句です。」
浜ちゃん「先生、これ直しは?」
夏井先生「これはこれで味わいましょうね」

前回、才能ナシ最下位から才能アリ2位に!🎉
季語を変えると、電車の遅延だとウソをついた時の状況が変わりますね。ま、全部ウソついてるんですけどね😅

大本命は、過去、梅沢さんに勝ったことのある竹財輝之助さん。
竹財さん「自慢してます」

続いては、才能ナシ4位の発表です。

おいでやす小田 「飛び起きて 走るカバンに 日傘かな」 4位

”朝、起きた時にもう遅刻で、日傘がかばんに入っていることすらわからないくらい焦っている”という句。
季語【日傘】[夏]

梅沢さん「そんなことは全然わからない!これを読んだ人はすぐに、飛び起きてかばんが1人で走ってるんだ!その後ろから日傘差してるんだ誰かが😡」
小田さん「そう思う?!これ!カバンが走ってることになんの?!」
ジュニアさん「これはカバンが走っていることにはなりません」(そりゃそうだ🤣)
「これは時間軸が長すぎるわ。シーンじゃないもん。これストーリーやもん」
夏井先生「書こうとしているのはいいんですよ。中身は。でも、問題の一番大きいのは、今ジュニアさんが言ったとおりです。もう一句に入れる時間軸があまりにも長すぎるから全部がプツプツ無理やり放り込んだから、おっちゃんみたいに飛び起きてカバンが走り出すって、走るカバンって書いちゃったら、そういう風に言う人がいても、「あ~すんません💧」みたいな感じになるじゃないですか。時間軸が一番長くて困るのは起きるところからやる、これがもうアウトね。走るところからやるんですよ。で、例えばどこへ向かって走っているかっていうのを書くだけで人物が見えてくるじゃないですか。学校へって書いたら子供、生徒。例えばですよ、作者があなただとわかって駅へって書いたとします。駅へ走るってやったらもうそれで、人物、何をしようとしたかわかりますね。『駅へ走る カバンに日傘 入れたまま』ってそのことそのまま書くんです。ということは日傘があるのに、入れたまま差しもせずに一目散に駅に走っている、これはきっと遅れそう、遅刻しそうなのに違いないと、読み手はそこまで全部読んでくれる。で、今ほんとに作者がわかってのことですが、これね、将来性が見えてきた才能ナシです」
小田さん「おーー!!やったーーー!!!」
浜ちゃん「うるさいな!もう!」😅

今回は時間軸が長くなってしまいましたが、急いでるからこそのシチュエーションで、遅刻しそうな感じが伝わって結構好きです。基本的に芸人さんって俳句作るのうまいんじゃないかと思います。
小田さんの次の俳句も見てみたいです😊

では次は2位と4位の間。凡人3位です。

美山加恋 「眠り明け 車窓に浮かぶ 梅雨雷か」 3位

”中学生の時に、映画のオーディションが学校の後にあった。いったん家に帰ったら疲れて寝てしまった。マネージャーからの鬼電で起きて、電車に飛び乗ってそこで浮かんだマネージャーの鬼の形相が怖かった”という句です。
季語【梅雨雷】[夏]

ジュニアさん「え、眠り明けは家で寝てるんですか?」
美山さん「そうです。お家で寝てて…」
ジュニアさん「電車で寝て起きて、車窓にってことじゃなくて?」
美山さん「はい💦違います💧」
小田さん「あれ、減点?減点?」
ジュニアさん「わからんけど、たまにあるこういうやつ(順位入れ替え)かも」
夏井先生「はい、もうこれは私も車の中でうとうとしているんだなと、そう思って50点は付けてるわけですね。この眠りは家で寝てて、そうなったらさっきの句と一緒ですよね。一句の時間軸があなたの中でめっちゃくちゃ長いわけでしょ。」
小田さん「時間軸が長い!とにかく」
美山さん「小田さん黙って💦」
夏井先生「これは直しますよ。時間軸をもっとギュっとしましょう。さっき、どこへ向かってるのかで駅へって直したでしょう?今度は場所じゃなく目的を書けばいいんですよ」
浜ちゃん「オーディションよ」
夏井先生「それそれそれ。今誰かが言ったやつ。」
梅沢さん「浜田さんです!」
夏井先生「そうですか。才能アリです。オーディションへってやったら向かうってここで全部書くんです。ちょっと上五長くなるけど。車窓…ここら辺はもういりませんね(その下消す)車窓の梅雨の雷ってこうすればいいんですね。『オーディションへ 向かう車窓の 梅雨の雷』そうやったら少なくとも家で寝てるんじゃなく、何の為に向かう、何の車窓であるかっていうのがわかるよね。そしたらこのオーディションっていう言葉一つで、この作者がどういう人なのかっていう、独自性、真実味、オリジナリティーとリアリティーがこれ一つ入れるだけでちゃんと入ってあなたらしい句になるでしょ。こういうところが大事な時間軸問題になるんです。で、これ点数下げたとしても凡人の中に入ってますから、たいしたことはないですね」

で、でたー!浜ちゃんが当てるの!😆
さすが浜ちゃん!

季語が「梅雨雷」から添削して「梅雨の雷」になりましたが、こちらも夏の季語ですね。やっぱりリアリティー、オリジナリティーは必要ですね。具体的になると一気に変わりますもん。美山さん、順位変わらなくてよかったですね😆

残るはともに才能アリ経験者。炎帝戦第3位の実力者のかたせ梨乃さんと、竹財輝之助さん。
どちらかが小田さんの隣(最下位)になります💧

竹財輝之助 「汗みずく 脳裏を過る 校門の鬼」 5位

”学生時代すごい恐ろしい先生が校門に立っててその時を思い浮かべながらめちゃめちゃ走っている”という句。
季語【】[夏]

夏井先生「褒めるところがあるとすれば、校門の鬼というこの最後の表現ですね。これは面白いと思いますよ。校門の横に立ってる恐ろしい先生だろうなってそういうところちゃんと言えてますからね。じゃ、何が問題かって言うとね、中七、脳裏を過るっていうの全くいらないんです。脳裏を過りましたって自分の気持ちを説明している言葉になってますよね。ですからこういう言葉は全く要らない(中七を全消し)で、ついでに言わしてもらうと状況をきちんと描写すればここも書かなくても(みずくの部分消し)想像してくれるんです。汗が季語ですからね。ってなったら、一句の半分ぐらい要らないってことになりますから、そうなったら才能ナシとジャッジするしかないという。それが私の意見ですね。じゃあどうするか、こういう風に書かないで描写することで汗をどう見せるかそれをやってみます。校門の鬼へ向かって何してるかって言うと走ってるんですよね。そのまんま書きます。『校門の鬼へ向かって走る汗』季語で着地するんです。そしたら絶対みずくですよ。汗だらだらかいてるに違いない。こういうところは全部読者がちゃんと読み取ってくれる、こういうメカニズムがわかると、こういう表現(校門の鬼)ができるんですから、この人も希望がないこともないと思います」

残念でしたねー。校門の鬼ってわかりやすくていいですよね。
これで思い出しましたけど、なんで、昔の体育教師っていつも竹刀持ってるんですかね🤣
私が通ってた学校の数学の先生は、テストの点が前回より下がると、女の子でも平気でバットでお尻殴ってました。今だったら大問題ですね😓

最後は1位のかたせ梨乃さん。

かたせ梨乃 「十度目の タクシーアプリ 梅雨の雷」 1位

”最近ずっとタクシー難民で、外で拾えないし、雨の日だともっと拾えない。みんな考えることが同じでアプリで呼ぼうとするのだが、呼んでも呼んでも全然応答してくれなくて”という句。
季語【梅雨の雷】[夏] 

夏井先生「タクシーアプリみたいな言葉ですよね、音数が長いうえに詩になりにくい、それは難しい材料ではあるんですけれども上手く使いましたね。うまくいった一番の理由はここなんです。十度目っていう風に数詞をきちんと書くんですね。俳句のコツのひとつは、ほんのちょっとだけ具体的に詳しく書くこと。それがここ(十度目)なんです。十度目のタクシーアプリっていうのがスルっとできたとして、今度あと季語をどう展開するかっていうのが最後の関門になるんですが、梅雨来たるとかってやってもいいんだけど、雷に持ってきたのが良かったですね、これは。最後に焦る気持ちを募らせるかのような音の効果。それがここに出てきますもんね。お上手ですね。これはね。」

十度目という具体的な数詞とタクシーアプリという個性的で長い言葉。そして雷という音を連想させる季語。わかりやすくていいですね。
かたせ梨乃さんがタクシーを使ってるの意外でした。なんか、いつも高級車の後ろの席に優雅に座って、いつも運転手がついてるイメージでした😉

次は永世名人、千原ジュニアさんの句。
現在9回連続掲載決定!残り14句と絶好調ですね。村上さんより先に句集を出しそう💧
今回は、今までやったことないことをやったと、中八になっている句でした。

千原ジュニア 「埼京線 運転再開 扇子閉づ」

”急いでるときに電車が止まって、暑い中「はよ動かへんかな~」って思っていたら、やっと動き出したということで扇子を閉じてしまった”という句。
季語【扇子】[夏]
先生からの一言は『着地がうまい!』ということでした。

夏井先生「褒めないといけないところがいくつもあるんですけれども、こういう経験を一句にしようとしたときに、往々にして時間軸が長くなってしまうんです。今日もありましたね。朝起きるところから始まって支度して家出てって。これは迷いなく、この瞬間、運転が再開したというこの瞬間だけを切り取ると。これがまず褒めないといけないポイントのひとつ目ですね。そして中八の問題ですね。これはね、企んであるんです。「ん」という音が響くようにして気にならないように配置されてるんです。さいきょうせ、う、せすっていう風に。で、ここ自体も、「うんてんさいかい」という風にリズムがありますよね。中八が成功する時っていうのはこういう風に調べでリズムを軽やかにきざめるという、気にならないようにするっていう配慮があるときには、上手くいくんです。そして最後、一番最後に「閉づ」と、この動詞で終わったところですよね。普通、扇子というのは扇いで使ってこその季語なんですけれども、これは閉じたというその瞬間をいうことで、こっちの季語を使っていた時のことをありありと想像させると。丁寧に読んでいったらいろんな工夫がいっぱいあるということ、わかっていただけたでしょうか。今日の才能ナシのお二人」 
小田さん「わーお、ぼくらに言うてた」🤣

夏井先生めっちゃ褒めてましたね!俳句を知らない私にもすごい句ってことが伝わります😊
埼京線という具体的な名前を使う事でリアリティーが出て、「ん」を使ってリズミカルになり、扇子を閉じるという動きで逆に使ってたとわかる。
やっぱり瞬間を切り取る臨場感がある句っていいですね~。

さて、最後は特別永世名人、梅沢さんの句の解説です。

梅沢富美男 「蒸し暑し 今を出掛けの 尋ね人」

”時間にちょっと遅れるんじゃないかと走っていたら、『すみませんちょっと尋ねたいんですけど』と言われイライラする”という句。
季語【暑し】[夏]
ジュニアさんに「尋ね人がそうなりますかね?」と言われ梅沢さんとモメてましたね😅
先生からの一言は『シュレッダーどころかみじん切りにしてほしい
先生めちゃくちゃ怒ってる😓

夏井先生「何言いたいのかよくわからなかったんですよね~。ジュニアさんもわからない時ははっきりわからないと言うべきだと思いますよ!尋ね人おかしくない?これ。なんかこういう人を探してますっていうああいう尋ね人かなと思って(お尋ね者的な)、整理をすると、今自分が出掛けようとしてるんですね?出かけようとして、門先に誰か来て「道を教えてください」っていう尋ね人なんですね?で、人が好いからそれに返事してるんですね?でもそんなことは何一つ伝わらないという事実だけが今判明いたしました。直しましょう。「今を出掛けの」じゃなくて、今自分は外出をしようとしているっていうのを外出の矢先とかっていうじゃないですか。「外出の矢先の客」くらいで誤魔化さしてもらおうかな。『外出の 矢先の客や 蒸暑し』ってやったら少なくとも尋ね人のわからなさは回避はできますよね。ひとまず日本語らしいものには直しましたが、…おっちゃんなんか体調悪いの!?ほんとに。心配した」
梅沢さん「最下位にすれば?私を。才能ナシに」
浜ちゃん「何を言ってるの?」😅

梅沢さん「みじん切りでいいです。スタッフのみなさんお掃除させてごめんなさいね」
浜ちゃん「お掃除させてなのね?お掃除しますじゃないのね?」
梅沢さん「私がお掃除します」
浜ちゃん「(食い気味)そりゃそうやろ!!」

めちゃくちゃ落ち込んでましたね😅

次回は炎帝戦7月11日です!

ジュニアさんの俳句に扇子が出てきたのでシックでかっこいいのを探してみました✨
男女兼用です。

■サイズ21cm
■扇面シルク100%
■扇骨竹骨 30本