2月6日放送『プレバト!!』俳句の詳しい解説です。
前編はこちら👇
テーマは「雪の銀座」です。
テレビで発表された順にいきます。
渡辺満里奈 「かりんとの 小枝にふわり 粉雪よ」 2位
”銀座は名店が多く、大好きなかりんとう屋さんがある。かりんとうを1本つまみ食いをしてそこに雪がふわっと乗っかるというイメージ”を詠んだ句。
季語【粉雪】[冬]
梅沢さんが「粉雪だったらふわりはいらないと思います」って言ってました。
夏井先生「俳句はもうここに書かれた言葉が全てですからね、でも悪くはないと思いますよ、この素材というのはね。もちろん粉雪に対してふわりがちょっと近いんじゃないかっていうおっちゃんの指摘もそのとおりなんですけれども、一番、もったいないのは、この”に”なんです。この”に”がもったいないんです。その小枝にって言ったら粉雪のふわっとしたのがそこに乗っかるみたいなそんなニュアンスになってしまうんですよね。で、この”に”によってちょっとこう、非現実的な気分にさせられてしまうと。そこがもう一番もったいなかったところなんです。ですからこれをね例えばですよ、”かりんとの小枝よ”、”よ”にして、この”よ”と”よ”(下五の)がちゃんと響きあってくるでしょ?おっちゃんの言うように粉雪でふわりはいらないよねって思うのであれば、ちょっと広くして例えば”街の粉雪よ”ってやったとします。そしたら街という広がりの中で小さなかりんとって、かりんとと粉雪の色の対比と、それから街と小さな枝との大きさの対比も一緒に出てきますよね。こういう小さな所詰めていくと、この句は才能アリになる可能性が十分にあったと、そういう句なんですよ」
🖌添削後『かりんとの小枝よ 街の粉雪よ』
う~ん、元の句も良かったような…。
かりんとに粉雪が付くのって非現実的ですかね?
粉雪だったら結構ありえそうですけど💦
”ふわり”ってかわいいと思ったんだけどな…。
でも、添削後、渡辺満里奈さんが感動してて浜ちゃんもうなずいてたから、添削後の方がいいんでしょうね😅
つくづく私はまだまだ理解できてないんだな、と💧
”よ”を2回使ったり、大きさの対比、色の対比などのテクニックを使ってて勉強になりますね。
次は、3位です。
鈴木梨央 「冬の音 輝くネオン 銀座色」 3位
”銀座の街が車でざわついていて雪がしんしんと降る様子を冬の音として、宝石店でキラキラしているネオンを銀座色という言葉でまとめた”という句。
季語【冬】[冬]
梅沢さんが、「輝いているのは”冬の音”なのか”ネオン”なのか読み手が困ってしまう」と言ってました。
夏井先生「これはね、私はおっちゃんの意見に賛成しますね。この句は詩を作ろうという意識はもう十二分に持ってらっしゃる句だと、そこは認めております。ただ読み手として率直に迷うのは”輝く”っていうのが、「冬の音が輝いているかのようだ」っていうのが言いたいのか、”冬の音”で一回意味が切れて、「輝くネオンが銀座色ですね」ってことが言いたいのか、そこが、読み手を迷わせるんですね。あなたのイメージとしてはどっちなんですか?」
鈴木さん「ネオンが輝いている方で、はい」
夏井先生「ああ、わかりました。じゃあそっちに寄せて添削をしてみましょうかね」
鈴木さん「お願いします!」
夏井先生「となった時に、”銀座色”っていう比喩が面白いので、ここから始めた方がこの句においては得かなという風に思いますね。で、こっからですよ。”銀座色のネオン”ってやったら、ネオンというのは輝いているものですから、輝くというこの言葉そのものがいらなくなるんです。ネオンであればね。冬の音が輝くように見えるのなら輝くは必要になるんですが、ネオンのことを言いたいなら”銀座色のネオンや”ぐらいで詠嘆すれば、もう十二分に輝いているわけです。でこっからですね、『銀座色の ネオンや 冬の音を聴く』くらいでいいかな。今のお話を聞いてるとね。ネオンがチカチカと映像として見えていて私は冬の音を聴いておりますと。でもま、とにかく詩を書こうという意識はお持ちですからこの方は上手になっていくと思いますよ」
いや~、詩的ですね。
というか、輝くのはネオンでしょって完全に思い込んじゃってて、梅沢さんや夏井先生みたいに、”冬の音”が”輝く”という可能性を全く考えなかったです😓
音が輝いて見える経験したことない~😵
感受性を豊かに…と言ってもすぐにどうこうなるとは思えないし~😖
プレバト見続けて学んでいかなきゃ~💦
次は4位です。
さや香・新山 「冴返る 末席汚す 祝賀会」 4位
”春に入ったくらいの季語で「冴返る」という季語があって憂鬱な気分を表していると調べたら出てきた。お祝い事や合格発表などの時に自分がついていけていない、自分は結果が出ていないけど参加しなくちゃいけないという気持ちをこの季語で表現した”という句。
季語【冴返る】[春]:春先に冬の寒さが戻って来ること
志らくさんが「前回のようにイキらないと言っていたのにわざわざこんな季語探してくるって」と💧「この季語は難しくて素人には詠めない」と言ってました😅
夏井先生「この句はですね、あの、一言で言うとキング・オブ・ザ・凡人です。この”末席汚す”ってここの常套句をもうそのまんま中七に入れて、あ、書けたなって思ってるっていうのは、もうほんとにマジメで常識的な、もう常識しかないような人なんだろうなと私は読ましていただきました」
新山さん「もう大丈夫です!」🤣
夏井先生「で、”冴返る”っていう季語見つけたのは偉かったけど、またなんか別の時に使ってちょうだい、これは」🤣
新山さん「そんなんあるんですか」
夏井先生「”末席にゐて”、あ、これ”い”って読みます」
新山さん「わかってますよそれくらい。それくらいはわかりますよ」🤣
夏井先生「あーそうですか?”末席にゐて”、そして春のちょっと憂鬱な思いをこんな季語、春の愁いと書いて”春愁”という季語があります。『末席にゐて 春愁の 祝賀会』こうするとですね、向こうの方に祝われる人が遠目にいて自分はちょっとその人とは隔たった、春の鬱屈した思いを持って、でもお祝いしてあげようという気持ちも持ってそこにいると。そういう隔たりをこの”春愁”という季語が受け止めてくれるという風には思います。ただ、根本的にその真面目な常識人をやめるところからなんとかしてください」🤣
新山さん「芸人として致命的すぎますよ、今のコメント」
もうほんっとおもしろかったです🤣
夏井先生、新山さんのことめちゃくちゃイジってましたね~。
新山さん逆においしいんじゃないですか?😙
添削中、梅沢さんが心から楽しそうでなんかほっこりしました😆
添削後の句、いいと思ったんですけど、この素材そのものがすでに常識的なんですかね?💦
さて、次は最下位😣
小手伸也 「帰らなきゃ 帰したくない 雪催」 5位
”雪催という今にも雪が降りだしそうな空模様で、このままだと電車が止まってしまうかもしれない。帰らなきゃ、でも帰したくないそんな恋人たちの葛藤をあらわした”という句。
季語【雪催】[冬]:いまにも雪が降りそうな冬の空模様
小手さんは物語として3部作まで作ったらしいです😓
夏井先生「これはですね、自分の脳みそで考えてないんじゃないかなと。あの、3流の歌謡曲みたいな感じがいたしますね。こう書いてみて、『あ、素敵だ!』って思ったから私に提出してるんですよね?そのあなたの感覚に私は全く寄り添えないんです、はい。どっちか1つの思いにしません?”帰したくなくて”ってやったら誰かがいて誰かを帰したくないってのわかるよね。で、最後余った音数でこの季語が主役になってくれないといけないんですから、雪催の雪が来そうなちょっと暗いその空がせめて見えるような、ま、どこでもいいんですけど、”雪催のホーム”ぐらいなら、なんか今、恋人たちが別れようとしてるっていうそんな感じは少しでますよね。『帰したくなくて 雪催のホーム』って。そしたら多少マシな2流ぐらいの歌謡曲にはなるのかなという気は致しますね」
またもやめちゃくちゃ言われまくってておもしろかったです😆
まさに歌謡曲ですね~。
歌の歌詞みたいなのを俳句にしちゃさすがにまずいんじゃ…💧
先生が褒めてくれるとはとても思えないのに…😓
夏井先生ってテレビで話す前に添削後の俳句って考えてあるんですかね?
句またがりなのに数えてる様子なくて文字数ぴったりにするのすごいなと😮
私、毎回数えちゃう…💦
次は1位!
横浜レオン 「余寒なお ネオンに浮かぶ 獅子の影」 1位
”学生時代に銀座のライオン像の前のアパレルでアルバイトをしていた。絶対に自分は歌手としてデビューするんだ、輝くライオンになりたいという気持ちで当時やっていた”という句。
季語【余寒】[春]:寒明けになってもまだ残る寒さのこと
梅沢さんがネオンに浮かぶ獅子とくれば銀座三越だとわかる、大したもんだと褒めてました😌
夏井先生「これはもう”余寒なお”から始まっていく語順もよかったと思いますね。[余寒]というのは、映像を持たない季語ですから、残りの部分に映像をしっかり入れるっていうのは大事な配慮になるんですが、最後この影というものに焦点が当たっていくと、その判断もよかったと思いますね。でまぁ、このまんまでももちろんいいんですが、さらに上を狙うとした時に、どう考えればいいかっていうところだけアドバイスをしておきます。この”に”というのはちゃんと助詞として意味を持ってるわけです。ネオンに獅子の影っていうだけで、十分に浮かんでいるわけですね。3音いろいろ入れることができるんです。くっきりとあるよって言うんなら、こういう言葉があるんですが、”著し”って。ハッキリとしてるっていう、そんな意味合いになります。”し”の音を響かせながらくっきりはっきりとそこに浮かんでいるよっていうのがこの3音で言えるっていうことですね。こういう所まで配慮ができるようになると、特待生がじわじわ近づいてくるということです」
🖌『余寒なお ネオンに獅子の 影著し』
「著し」って難しい~😣
「著す」は”あらわす”、「著しい」は”いちじるしい”は読めても著しは読めなかった~😵
あと、影について詠むのって発想がすごい気がします。
バイトでいつも見てた景色なんでしょうね~😌
次は、1年以上昇格していないという、立川志らくさんの昇格試験です!
立川志らく 「粉雪に 恋する銀座 資生堂」
”昭和の時代の資生堂パーラーは森鴎外、太宰治などの文豪が愛した場所で銀座のオシャレの象徴だった。都会に来た女性がそこにやってくると、粉雪が舞っているとそれにまで恋をしてしまう”という句。
季語【粉雪】[冬]
昇格試験ポイント:中七「恋する」を置いた位置の効果の是非
名人7段 1ランク昇格→ 名人8段
先生からの一言「志らくさんらしくない甘やかさ」
梅沢さんが「まさかこの俳句を志らくさんが作ったとは思えない!女でもできたんですか!」と言ってました🤣
夏井先生「もうほんとに志らくさんだという事実にびっくりしているということの方が新鮮な驚きでしたこれは。この”恋する”をどこに置くかというのが勝負の分かれ目になったんですけれども、いい場所に上手いこと置きましたね。”恋する”っていうのは粉雪に恋をしているのと同じように銀座資生堂というこれ自体が恋をする、そういうワクワクするような存在であるよと。もうこれね~、資生堂さんにこのまんま売ったりしたいくらいのおしゃれな句だと思いますよ」
梅沢さんが間違いなく女ができましたよ!って騒いでて志らくさんが焦ってました🤣
いつもの志らくさんらしくなく定型の俳句でしたね。
最初、どう解釈したらいいかよくわかんなかったんですが、なんとか…😵
銀座資生堂がそれほどすごい存在だっていう、依頼されて作った昔のキャッチコピーみたいだなと思っちゃいました💧
最後は特別永世名人のお手本😙梅沢さんの俳句です。
梅沢富美男 「湯の里の 小さき銀座に 春の雪」
”日本全国に銀座がある。湯の町にも小さな銀座の通りがあって浴衣で歩いていたらふっと春の雪がパラパラと降って来て風情があるな”という句。
季語【春の雪】[春]
先生からの一言「町の様子が伝わる語順」
夏井先生「ほんとに語順良かったですね。まずは遠景です。湯の里という湯気も上がってるんでしょうね。ぼんやりとした田舎の遠景から入っていきますね。そこから”小さき”、何が小さいのって思わせて銀座という風に持っていきますからこれは作者の構築したイメージ通りに持ってこれていると思いますね。そして、悩む所があるとすればこの”に”なんです。今日”に”がいくつか出てますね、はい。これ”に”にすることで、どんな効果が生まれるかというと、湯の里の小さき銀座に今、降り出しましたよという風なそういうニュアンスを”に”が表現してくれるわけです。そこは狙いましたよね?おっちゃん」
梅沢さん「狙いましたよ!私説明でも言いましたもの」
夏井先生「言ったかどうかはわかんないですけども”に”という助詞をこの場合は褒めたいと思います。で最後まで行くと、今度はこの湯の里全体を包む春の雪ももう一度見せてくれるような、そういう効果も持っていると。おっちゃんも肩の力入れずにほんとこんなのを毎回出してください」
今回は、前回と違って語順を褒められてよかったですね😊
梅沢さん、夏井先生が話してる間、にっこにこでずっと返事してて浜ちゃんがあきれて笑っちゃってました🤣
日本全国で銀座がつく地名は300以上あるらしいです。商店街の名前も入れたら500以上!多いですね~😮
次回は2月13日です。
志らくさんの俳句からこちらを。
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