2月13日放送『プレバト!!』俳句の詳しい解説です。
前編はこちら👇
テーマは「デパ地下」です。
テレビで発表された順にいきます。
南果歩 「春遠し 義理チョコ買わず ぼっち飯」 4位
”チョコレート売り場に女性がたくさんいるが、義理チョコも買わずに自分一人のご飯を買う、私の春は遠い”という句。
季語【春遠し】[冬]
村上さんが[春遠し]という季語は春が待ち遠しいという冬の季語だが義理チョコはバレンタインデーのことを詠んでて色々ダメだと😅
夏井先生「言いたいことを無理やり詰め込んだ感があるんですよ。ですからこういう場合は、義理チョコを買わないということを言いたいのか、一人でぼっち飯を食べているよってことを言いたいのかこれ2択どっちかに絞った方が、俳句がもうちょっとゆったり書けるんですよね。例えば、義理チョコ買わない方をやったとしますよ。”義理チョコは買わない”ってもう口語でたたみかけて、『義理チョコは買わない 春はまだ遠い』とかってやったら恋の気分と春が遠いわっていう気分がなんとなく俳句になっていくんですね。17音の器に入らないぐらいの量をごちゃごちゃ入れたっていうのが敗因の1つではあるんですよね、はい」
俳句の初心者としては、気持ちわかりますよ。
色々な状況をいっぺんに入れたくなるの💧
季語を主役に、場面を切り取って読者に想像させるっていうのが難しいんですよね😅
色々説明したくなっちゃうんですよね。
次は、2位です。
大久保佳代子 「伊予柑の ゼリー見惚れし 母傘寿」 2位
”デパ地下で高級フルーツ店の伊予間ゼリーを田舎の母に買ったが、高級で綺麗なゼリーを見ていてなかなか食べないという80歳の母への思い”を詠んだ句。
季語【伊予柑、ゼリー】[春、夏]
森口さんが「伊予柑ゼリーじゃなくて伊予柑だけで表現したらもっと良かったのでは」と。
村上さんが「森口さんの言う通りで、伊予柑は春でゼリーは夏なんで」と。あと、「傘寿という言葉もあんまり生きてない」と。さすが~🥰
夏井先生「この句の問題点は、今お二人がそれぞれ語ってくださったところに集約されるんですね、はい。伊予柑が春、ゼリーが夏と。ゼリーの方はね夏の季語として入れてない歳時記ちらほらありはしますけどもまあ、基本的にそういうことになるんですね。ま、伊予柑を季語にしたら加工品になっちゃってるからゼリーを季語だっていう風に考えてあげたらまあなんとかギリギリセーフかなみたいな所に入っていくですよね。もう1点の問題なんですがこの傘寿ってこういう形の俳句って結構あるんです。山ほど出てくるんです。まずは傘寿はちょっと諦めていただいて”伊予柑のゼリーに”、”に”を一個入れましょう。でこれ、”みとれ”って読んでもいいんですが、”みほれ”って言った方がもっとこううっとりしてる感じでませんか?」
大久保さん「あえての”みとれ”なんですけどね」
夏井先生「…それはあえない方が良かったですね、はい。で、こっからです。みほれたままおりますと。『伊予柑のゼリーに 見惚れゐて母は』とここで余韻を持たせるんですね。そしたらここ”見惚れゐて”のここにある程度時間の表現ができる。そして”母は”で「・・・」ここで余韻が生まれる。で、この余韻は何につながるかって言うと伊予柑のゼリーの美しさにもう1回戻って来ると。こうするとあなたが言いたかったことが一番的確に入るんじゃないでしょうかね」
大久保さん「ただやっぱり…」
浜ちゃん「いやだから!💧」
大久保さん「高齢の母が、ゼリーを知らなかった母がって言うのを入れたいなと思ったんです」
夏井先生「でも、作品として考えた時の、損得っていうことはありますよと。で、これ読んだ時に伊予柑ゼリーも知らないんだからある程度の歳の母ちゃんだろうなとそういうことは想像してくれるかもしれないですね」
大久保さん「ありがとうございました全て理解しました。すみませんでした」
いや~、ヒヤヒヤした😓(浜ちゃんもちょっと焦ってたような)
大久保さんがかなり夏井先生に言い返してたんで大丈夫かなと💦
ま、食って掛かってくるような人も今まで指導してたらたくさんいたでしょうけど💧
まずは季語の問題ですよね。あと、傘寿という言葉を使うありきたりさ。
大久保さんの言いたいこと、私は俳句の知識がないからこそ、こうなっちゃうのわかるんですよ。
でも森口さんと村上さんはさすがですよね~✨(特に村上さん💕)
凡人の俳句なら器用にパッと作れて先生に意見とかしたりする大久保さんみたいなタイプの人って、才能アリになるの大変そう…😅
次は3位です。
松下由樹 「長蛇列 バレンタインデー 無縁なる」 3位
”バレンタインデー当日、デパ地下に行ったら意外とショーケースの前が空いてて「これ下さい」と言ったら「あちらにお並びください」と言われて見たら、ものすごい列で諦めた”という句。
季語【バレンタインデー】[春]
村上さんが「語順がこのままだとその列がバレンタインデーと無縁のようだと取られかねない」と。
夏井先生「これも、今語ったことが問題点としては全部指摘されるということです。もう1つ付け加えるとしたら普通の文章を書いて、普通の文章の所々をちぎったっていう風な書き方になってるんです。長蛇(の)列(を見て)バレンタインデー(とは)無縁なる(ものだなと思いましたー)みたいな、そんな作文の1行を俳句の音数に合わしてきたと。こういう作りの句を俳句では散文的ですねっていう風に言われるんですね。で、語順変えるだけでも違ってくるってのは言えるんですね。こっちからでしょうかね。”無縁なり”って1回言い切ってみるんです。何が無縁なんだって読んだ人は思いますね。そしたらここから映像に行きます。『無縁なり バレンタインデーの 長蛇』長蛇とあれば列はいらないですね。そしたらバレンタインデーの列だっていうのもわかりますね」
散文的かどうかって初心者にはわかりにくいですよね💦
でも、縦に1つの文で読んでみて誤解される恐れがあるかどうかっていう確認は必要ですね~。
あと、いつもですが、いらない言葉があるって多いですよね。
これもね~、初心者にはなかなか気づけない😅
添削後の句は、これだけ見るとすごいシンプルですけどわかりやすいです😌
さて、次は最下位😣
ぼる塾・田辺 「てんてこ舞い ピンクに染める 新入社員」 5位
”新入社員の方がデパートでてんてこ舞いして一生懸命頑張っててピンクの頬がまるで桜餅のようだ”という句。
季語【新入社員】[春]
村上さんが「デパ地下にも俳句にも失礼」って言ってました😅
森口さんは「イベントで新入社員をみんなでピンクに塗ってるのかなって思っちゃった」と🤣
田辺さん「先生~😣」(2人にめためたに言われたので🤣)
夏井先生「いや先生って言われてもこんな…。ピンクに染めるっていうのは何を誰がピンクに染めてんのかってのをわかんないから訳わかんないんですよ。だとしたら、”頬をピンクに”って書けば”に染める”って言わなくてもいいでしょ?”頬をピンクに新入社員”でもいいじゃないですか。でも、”頬をピンクに”って本当に陳腐なそこら辺にあるような表現ですから、これを諦めた方がいいと思いますよ」
田辺さん「あら~」
夏井先生「あら~ってこれどうするの?コレ。諦めましょうこれは。ほいで、”てんてこ舞いの新社員”ってやったら中七下五ができるんですよ。新社員でも季語ですからね。残りここに上五入れればいいわけでしょ。例えばそうですね、『売り出しや てんてこ舞いの 新社員』ってやったらどういう職場かもわかるでしょ?『棚卸し てんてこ舞いの 新社員』とか。ね、ここやりたい放題じゃないですか。はい。これは自分でやんなさい」
才能アリ3回も取ってたから期待してたのに~😞
これは…たしかにヒドイ🤣
”ピンクに染める”がわからないし、”頬を”を書けば陳腐だし🤣
次は才能アリの句を見てみたいです!
次は1位!
谷まりあ 「五限後の デパ地下うらら ルビーチョコ」 1位
”大学の授業で5限が終わって疲れてヘトヘトの中、友達とデパ地下に行くとルビーチョコなどのピンクの物がたくさんあってハッピーになったことを[うらら]にかけた”という句。
季語【うらら】[春]
ルビーチョコ:ルビーカカオ豆を原料とするピンク色のチョコレート
夏井先生「これ色んな言葉の力をねちゃんと発揮させているやっているっていうそういう句なんです。ていねいに見ていくと五限後、90分の講義×5ではないかと。人物もわかるし、かなり脳みそもヘロヘロなってるようなそんな感じ出てくる。そしてデパ地下という場所が出てくる。賑わいが見えてくる。で、この[うらら]というのが春の季語になりますね。この[うらら]という春のなんと気持ちのいいうららかな日だろうっていう、その気分をそのまんまルビーチョコっていうこの商品、ルビーチョコのピンクがわーっと並んでるような物の名前の力を十二分に発揮させたと。この人なかなかやるじゃないですかこれ」
夏井先生、この句相当気に入ってそうでしたね!
[うらら]でワクワクする気持ちも表現しているし、おしゃれでかわいい句ですね~😊
ってか、そもそも[うらら]って季語がかわいすぎません?😆
谷まりあさんの俳句また見たいです~!次も期待してます!
次は、森口瑤子さんの昇格試験です。
森口瑤子 「行く春や 閉店セールの 百貨店」
”セールには必ず行っていたデパートが閉店セールの時のなんとも寂しい気持ち”を詠んだ句。
季語【行く春】[春]
昇格試験ポイント:季語[行く春]を取り合わせた効果の是非
名人9段 現状維持
先生からの一言「季語が近い」
夏井先生「俳句ではよくこの季語が近いとか遠いとかそういう言葉を使うんですけれども、どういう意味かというと、この句の場合、[行く春]というのは映像を持ってない時候の季語、春が終わるというそういう時候を言ってるんですが、そん中にどことなく寂しいという心情も、この季語の中に入ってるわけですね。で、その季語と閉店というものを取り合わしたのはちょうどいい、似合ってると思って取り合わしているんだけれども、その気分がちょっとだけ近いよねってこういう風に判断されるんですね。となった時にもう季語の問題だけなんです。足元の映像を足してみますよ、仮に。例えば、”パンジーや”とかってやってみます。そしたら閉店セールの百貨店の前の玄関あたりにパンジーの鉢植えなんかがこう並んでいて数日後にはこのパンジーの鉢も撤去されるんだろうなと思うとそこに寂しさが出てくると。で逆に空間作ろうと思えば、鳥が北の方に帰って行く、[鳥雲に]っていう季語があるんです。春になって帰って行く鳥たちがビルの閉店セールとかって垂れ幕の向こうに見えてくるでしょ。映像を少しだけ入れると、色とか奥行きが出てくるよと」
浜ちゃん「森口さんいかがですか」
森口さん「季語ですね~😞」
浜ちゃん「そんなしみじみ言われても😅」
🖌添削後『パンジーや 閉店セールの 百貨店』
🖌添削後『鳥雲に 閉店セールの 百貨店』
季語が近いのは、解説を聞けばなるほど…と思いますが、じゃあ判断できるかというと相当難しいですよね😓
私としては、
”パンジーや”を使うと下を見るし、よく見る身近な花なので、親しみのある場所がなくなってしまう印象ですね。
2つ目の”鳥雲に”だと空を見上げてるし、鳥が去ってしまう様子だから、雄大さとか寂しさをより感じます。こっちの方が好みかな~😌
最後は村上さんの俳句!😆
フルーツポンチ・村上 「長い名前の サラダを買うや 春動く」
”デパ地下のお総菜屋さんに売ってるサラダは名前がやたらと長いが、あの長さが贅沢をしている気分になる”という句。
季語【春動く】[春]
先生からの一言「果敢な挑戦!」
村上さんが”長き名の”で5音にはできるが、”長い名前の”の方が自分の気分に近いと😊
夏井先生「ご本人もおっしゃいましたけど、これ上五5音にしようと思えばとても簡単にできるんですよね。”長い名の”ってやるだけですから。で意味も変わらないですもんね。でもあえて上五を字余りにしてまでこう書きたいのかっていうのが、まさにデパ地下ならではのっていう空気をこの一句の裏っ側にちゃんと作ってるわけですよね。”長い名前のサラダ”って言われたら私もほんとデパ地下のあの、何たらと何たらと何たらの何がどうやみたいな、ね、あれが出てくるじゃないですか。とてもオシャレでとても美味しそうで、ちょっとだけ奮発して良い美味しいものを食べたいと。そういう気分も一緒に出てくるでしょ。日常の光景の何気ないところをひょいと引っ張り出してくる、ポンチ節久しぶりに見せていただきました」
村上さん残り11句です!!🎉
浜ちゃんが夏井先生の解説の時の村上さんの得意げなリアクションにツッコんでましたが😅
は~うれしい!本当に良かったです😊
この俳句良いですね~✨
上五の字余りなのが、サラダの長い名前そのものを表現してるようで。
でも、着眼点がいいので、”長き名の”でも”長い名の”でも掲載決定になったんじゃないかな?…なんて思うんですがどうなんでしょう?
次回は2月20日です。
大久保さんの俳句からこちらを。
ゼリーとチーズケーキの組み合わせですがすごい合いそう😋
カロリー控えめでとにかく見た目がかわいい~🥰