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【プレバト!!俳句】7月11日<後編>|詳しい解説&感想まとめ【炎帝戦】①

プレバト!!

7月11日放送『プレバト!!2024炎帝戦』後編は3回に分けて説明します!

前編はこちら👇

テーマは「好きな観光地」で2句提出して戦います。
5つのブロックにわけて4人ずつ選ばれて戦い、決勝に進むのは1人だけ。
1stブロックは誰が同じブロックになるかは知らされていません。

ファーストステージ最初は、
関東・甲信越ブロック

フルーツポンチ・村上さん、Kis-My-Ft2・横尾さん、水野真紀さん、ニューヨーク・嶋佐さん

ジュニアさんが以前詠んだ句

故郷の 苜蓿もくしゅくの香は 濃かりけり

句碑の依頼があったということで、ニューヨーク・嶋佐さんが句碑狙ってます😅

テレビで発表された順にいきます。

ニューヨーク・嶋佐 「峰雲の ホッピー通り ハイボール」 2位

”浅草でレギュラー番組を持っていた時、収録終わりにホッピー通りで飲んで帰っていた。夕暮れ時の外で飲んだハイボールが思い出深い”という句。
季語【峰雲】[夏]

夏井先生「上五、中七、下五もう読んだときにリズムが良いですよね。楽しいですよね。そして、”峰雲の”でここ(通り)にちゃんと焦点絞ると。ここの判断も良かったと思いますよ、「の」でつなげた判断もね。あなただと思ってビックリしてるんですけれども、あのー、こういうことが軽やかにできるって大したもんですよね。当たるときは当たるんですね、この人ね。あの、これなんかはね、ホッピー通りにね、小さい句碑ぐらい建ててもらったらいいんじゃないですか」
浜ちゃん「先生、これ直しは?」
夏井先生「あ、いらないいらない」
梅沢さん「たいしたもんだ!」

才能アリ1回、才能ナシ最下位が3回の嶋佐さんが永世名人が2人いる中で2位!大健闘!😆

続いては、4位の発表です。

水野真紀 「高原に 横笛ピュルル 夏の空」 4位

”美ヶ原高原の土産物店で息子が横笛を買って、色んな所でピュルピュル吹いていた”という句。
季語【夏の空】[夏]

夏井先生「1番の問題は「に」なんです。結果論、語順にたどり着くんですが、特に上五のここの位置の「に」っていうのは、散文的(詩的な情景に乏しい)になりがち。上五の「に」はこれ以外絶対ありえないっていう時以外は使わない。これ一つ覚えといてくださいね。「に」を使わなければどうなるか。高原は他のところは色々あるけど、高原はまさに夏空と、ここで一回切るんです。『高原は夏空 横笛のピュルル』高原という場所空間そこに夏空が縦に広がっていきます。空間を作った後に音が出てくるとその空間の中でちゃんと音が広がるようなそういうつくりになっていきますね。この語順でやってくださったら(順位が)くるっとひっくり返ります」

横笛のピュルルってなんかいいですね。「○○は○○ ○○の○○」って添削後に結構見る気がします。使える型なのかな?

次は3位、村上さん残念です~😢

フルーツポンチ・村上 「三越の 獅子は阿の口 夏旺ん」 3位

”三越の前にあるライオン像が口が開いていて阿の口をしているという意味と、夏旺んという季語で暑さとにぎやかさを表現した”句です。
季語【さか】[夏]:夏の暑さのさかり
この句の感想で、森口瑤子さんがライオン像と夏旺んの組み合わせを褒めていました。

夏井先生「三越の獅子に対して、夏旺んという季語を取り合わせる、この取り合わせはさすがだと私も思います。となってくると、問題はここになるんです、阿の口。はっきり言ってここのところが無難にまとめたなっていうそんな感じはするんですね。ここが描写する創作としての一番の肝になるんですね。ですから、”口開けたキツネ”見たり、”口開けたライオン”見たら「阿の口」だわって色んな人が同じようなことを言うわけです。村上さんともあろう者がこういう無難なところにいってはいけません。もう1度三越に行って、ライオン像の前に立って、しっかりと観察して描写してきてください」
浜ちゃん「さぁ村上さんどうですか。先生そうおっしゃってますが」
村上さん「ちょっと僕に期待しすぎ…」
浜ちゃん「いやいやいや…永世名人やもん期待するでしょ!」
村上さん「育てようとしてるな~」

前向き?なのかな?🤣

阿の口って俳句あるあるなんですか?
自分で思いついたと思っても実はありきたりな俳句ってこともありそう💦

次は1位の横尾さん。

Kis-My-Ft2・横尾 「雪渓のピザ屋 品川ナンバー来」 1位

”長野県においしいピザ屋があるということで友達と一緒に行った”という句。
季語【雪渓】[夏]:高山の谷間に夏でも残っている雪

夏井先生「素敵な場所に素敵なピザ屋さんがあるんだなと、どの地域、どういう場所かっていうのは具体的な地名は使ってないんですけれども、雪渓があるような場所であると、しかも品川ナンバーが来るあたりの距離感の作り方でこの場所をおおよそ想像させるとそこら辺の技が見事じゃないですかね、これ。わかってる?そこらへんの観客のおーって人達」
浜ちゃん「わかってないですよお客さんは」
夏井先生「でね、もうひとつ褒めたいのはこの雪渓というのは白くて冷たいそういうイメージを持ってる言葉でしょ。それに対してピザというのは熱々のとか、色んなカラフルなとか色の対比とか温度の対比みたいのもここにさりげなく入ってきて、最後のこの「来」でおさめるのもうまいですね。いかにも観光地を楽しんでると、そういう感じが出ましたね」

先生めちゃ褒めてましたね!横尾さんはいつもおしゃれでスマートな句を詠んでるイメージがあります。

関東・甲信越ブロックの決勝進出はKis-My-Ft2・横尾さん!

次は、
関西・中四国ブロック

FUJIWARA・藤本さん、立川志らくさん、安藤和津さん、JO1・河野さん

JO1・河野 「USJ セットファサードの 片影」 3位

”地元が奈良県で高校生の時は年パスを買ってUSJに通っていた。夏の暑い時、映画のセットからできる影を歩いている人たち”を表した句。
季語【片影】[夏]:夏の太陽から逃れる日陰
セットファサード:映画の撮影に使われる舞台セット
梅沢さんがセットファザードがわからないと言っていました。 

夏井先生「いきなり、アルファベットが出てきて、そしてセットファサード、私もこれがわからなかったので調べてみました。少なくともこの句は「調べてみよう」と思わせるなにか魅力というのはあったと思いますよ。で、それだとわかったら、あ、それが作っている片影なんだと、これ映像がすーっと立ち上がってきましたね。一番褒めないといけないのがこの季語ですね。せめて小さな片影を選んで、あるいは片影にちょっと体を入れて日陰の中に入ると、そういうものが片影という季語によってちゃんと伝わってくるんですね。この句は、片影という季語をちゃんと信じることができたから成立した句だと。そういう風に言うことができますね。」
浜ちゃん「先生、これ直しは」
夏井先生「あ、これは添削できる余地はないというタイプの句ですね」

3位でも添削なしでレベルが高いですね~。
やっぱり季語をうまく使えると俳句のレベルが一気に上がりますね。

安藤和津 「夏を追う 叡電の影 チャリの影」 2位

”鞍馬寺へ行く叡電えいでんのあたりがひなびてて景色がすごく良い。ある時、電車の影とチャリをこいでる人の影が夏を惜しんで追いかけているような感じに見えた”という句。
季語【】[夏]

夏井先生「私は、これ最初読んだ時、夏を追うっていうこのフレーズですよね。なんか、こうはつらつとした夏の始まった頃の事かなと、最初思ったんですけども、読んでいくと叡電の影、チャリの影と影がリフレインされていくんですね。このリフレインが、もちろん調べを作っているし、映像も作っているし、そして余韻も作ってくるんですけれども、影が2つ重なることによって夏という季節が始まってそして去っていく。その夏を追いかけて惜しんでいると。そういうことも全部入れ込んだんじゃないかなと思って。お上手でした。」

この俳句の季語を調べたんですが見つかりませんでした。あったらすみません💦季語がない俳句は「無季」というらしいですね。状況や季節がわかれば必ずしも必要ではないらしく…。自由律俳句は『プレバト!!』には出てきませんけど無季はありなのかな?

さて、残りは1位と4位!

FUJIWARA・藤本 「朝九時の ビール塩こぶ ビリケンはん」 4位

”大阪の新世界では立ち飲み屋が朝からやっている。モーニングセットがあって、朝9時からビールと塩こぶで安く飲める。ビリケンはんが人間の姿になって一緒に飲んでるんじゃないか”という句。
季語【ビール】[夏]
ビリケン:通天閣の幸福の神

夏井先生「大阪らしいこのリズムに乗った明るさもありますね。そして、漠然とした朝ではなく9時という風にちゃんと時間を明確にしたのも大阪らしい、この界隈らしいリアリティー、さらに、つまみ色々あるけど塩こぶ、これ持ってきたのも朝から立ち飲みやってる大阪のおっちゃんたち見えてくると。そこらへんはもうちゃんとあなたの思惑通りに進んでいるわけですね。じゃあなんでかっていう風に言うと、このビリケンはんっていう最後の着地の効果がさてどうなのかっていう。「ビリケンはん」って書いてたら「新世界」だってわかると思うって。ここが念押ししすぎて損している部分になると思います。この句を良くするためには、もうここを全く違う物、何かバーンって持ってこないといけないんですが、これも、これだけの音数があるので私が勝手に入れるという種類のことではない。ここだけ工夫してみて下さいというそんな一句になります」
藤本さん「全く違う?ものですか?」
夏井先生「”ビリケンはん”という言葉に頼って!そこら辺にありそうな句にしたっちゅーことを今!優しい言葉で言いました」
藤本さん「めっちゃ怒ってる~!💧」

「ビリケンはん」って使う人が多いんですかね。一気にありがちな句になってしまうのかも💦
しかし、夏井先生が厳しい事言うと、藤本さんも村上さんも梅沢さんもいつもすごいイジけますよね😅

立川志らく 「渡月橋の騒き 干からびた蜥蜴」 1位

”渡月橋あたりが最も好きな場所で、ぞめきっていうのは吉原でひやかして歩いているお客、その一方、真夏だと蜥蜴が干からびているようなそんな対比が自然と頭に浮かんできた”という句。
季語【蜥蜴】[夏]

夏井先生「前半が9音ですね。渡月橋の騒き。そして後半が8音と足して17音という破調の句になりますね。作者がわかってみてですけど、なるほど志らくさんらしい破調にもってきたなというのが今の感想ですね。そして騒きっていうこの言葉の向う側に、人でごった返す声とか車とかいろんな音が一緒に湧き上がってくるような、そういう効果がありますね。でここでカットが切れる、でふっと目が行く、視線が下にいく感じでしょうかね。「なんだろう?」と思うと干からびた蜥蜴がいる。干からびているということは、とても暑い京都の夏の印象みたいなのがこの存在から浮かび上がってくる。そういう感じになりますね。この語順の方が作者ご自身の思いをストレートに伝えることができると、そういう判断のもとに選ばれたに違いないと私も思いました」

実際見たわけではなく頭に自然に浮かんだ句だということですが、想像でも上手く描写すればありなんですね。志らくさんは相変わらずの破調の句なんですが、この句は不思議と「また破調か~😅」とはならなかったです。破調の俳句を見ているうちに、いつか破調の方がかっこいいと思っちゃいそうでそれもどうかなと💧

関西・中四国ブロックの決勝進出は立川志らくさん!

次からは九州・沖縄ブロックをまとめます。

嶋佐さんの俳句からこちら。
ハイボールのまとめ買いいかがでしょうか🍻