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俳句のタブー・禁止事項まとめ|季重なり・三段切れ…知っておきたい注意点

俳句用語


俳句は、たった17音に季節や情感を込める、日本が誇る伝統文芸です。
その短さゆえに、実は「やってはいけないこと」や「守るべきルール」が意外と多く存在します。
今回は、TBS系列『プレバト!!』で夏井いつき先生が指摘していたことを中心に、俳句の世界で避けるべきとされるタブー・禁止事項、また例外的に成功している名句を紹介します!

◆ 季重なり(きがさなり)

解説】
一つの俳句の中に複数の季語を入れてしまうこと

複数の季語を1句に入れると、季節の焦点がぼける恐れがあります。
基本は季語ひとつで季節感を明確に。

季重なりについての詳しい記事はこちら👇️

⭐️例外として・・・

目には青葉 山ほととぎす 初鰹(山口素堂)
【季語】
 ・青葉(夏)
 ・ほととぎす(夏)
 ・初鰹(夏)

この句は次の項目でも紹介する、三段切れ+季重なりの「禁じ手」の塊のような句ですが、江戸の粋を詰め込んだ名句として評価されています。

✅三つの季語がすべて同じ季節(夏)であり、それぞれ視覚・聴覚・味覚を担当しています。

👇️こちらは、Kis-My-Ft2・千賀さんの句。
季重なりの句だけど素材の面白さで2位になりました😀

◆ 三段切れ

解説】
一句が、意味や構造の上で3つに分断されてしまっている状態

まとまりがなく、俳句の「余韻」や「流れ」が損なわれてしまいます。

⭐️例外として・・・
さきほどの、
目には青葉 山ほととぎす 初鰹
も三段切れですが、視覚・聴覚・味覚を1つの季節に統一しているので、完成度が高く評価されています。

👇️こちらは、松本利夫(EXILE)さんの三段切れの句。
名詞や終止形で5・7・5がその都度切れてしまっています。

◆ 中七の字余り

解説】
各句(上五・中七・下五)の音数が多くなることが字余り、各句の音数が少なくなることが字足らず

特に、中七のリズムのズレは句全体のバランスを大きく崩すため、音の流れが不自然になります。

中七の字余りについての詳しい記事はこちら👇️

上五や下五の字余りは、特に気にならない場合や他で挽回できる場合、逆に効果的だったりすることもありますが、中七に関してはやはり良くないとされてますね。
句またがりとかで、合計17音になってればいいんでしょうけど…。

👇️こちらは、篠原ゆき子さんの中七が字余りの句です。
中七が9音になってしまっています。

◆ 散文

解説】
俳句の形式(五・七・五)を守っていても、内容がただの説明文や報告になっている句のこと

情感や余韻がなくなり、読者の想像にゆだねる“余白”がないということになります。

俳句を学びはじめた人が無意識にやってしまいやすいことのひとつ。
つまりは「詩じゃない」ということです。
『プレバト!!』でもかなり出てきますが私には判別が難しい💦
フルポン村上さんや梅沢さんも散文っぽいって言われてたことありますし…。

👇️こちらは、紅しょうが・稲田さんの句です。
とってもわかりやすい散文になってます😅

◆ 季語の比喩的使用

解説】
俳句の中で季語を比喩(たとえ)として用いること

季語は写生(ありのままの自然描写)を重んじるため、抽象的な意味を持たせると本来の季節感が損なわれてしまいます。

『プレバト!!』では、季語を比喩に使うゲストの方が非常に多いです。
夏井先生は季語を比喩で使うと季語としての鮮度ががく然と落ちると何度も説明してますが、ほんっとに多い!
『プレバト!!』で季語を比喩に使っている句をたくさん見てきましたが、その中でも特に印象に残ってる3句を紹介します😵

👇️こちらは、Hey!Say!JUMP・藪さんの句です。
かなりめっためたに言われてました😅

👇️こちらは、松丸友紀さんの句です。
ものすごい勉強してたのに最下位でショックだったでしょうね💦

👇️こちらは、水森かおりさんの句です。
この放送の時の、この句を表現したイメージ画像で爆笑しました🤣

◆ 擬人法

解説】
自然物や無生物に人間の感情や行動を与えること

自然の描写が過度に人間的になると、古風になったり、子どもっぽい印象になることも。

擬人法についての詳しい記事はこちら👇️
与謝蕪村の擬人法を使った俳句も紹介してます。

絶対に禁止というわけじゃないですが、上級者向けの技法。
『プレバト!!』では失敗してるところしか見てないような気が…💧

👇️こちらは、岡田紗佳さんの句です。
この句は、セミの擬人法ですが梅沢さんに勘違いされててめちゃおもしろかったです🤣

◆おまけ

他に避けた方がいいことの1つとして、『プレバト!!』にも出てきた自己模倣というのがあります。
自分の過去の作品や作風を繰り返してしまうことですね。

長く詠んでいる俳人だとあるらしいんですが、「個性」とも「新しさがない」とも言えますね…。
とりあえず初心者の方はやっちゃダメなんじゃないかと💦

👇️こちらは、関水渚さんの句です。
「味を占めてしまいました」と、前回の句と同じ形になってます😓

🛑 俳句で基本的に避けるべきことまとめ

基本的には禁止解説
季重なり(きがさなり)複数の季語を1句に使うと、焦点がぼけて季節感が曖昧になりやすい。例外的に成功している句もある。
三段切れ前後のつながりが弱く、まとまりのない印象になる。視点がバラバラになるため避けるのが基本。
中七の字余り中七(第二句)での字余りはリズムを崩す。初心者は「5・7・5」を守るのが望ましい。
散文(説明句)理屈っぽくなる表現は、俳句の“余白”を壊してしまう。
季語の比喩的使用季語は写実的・写生的に用いるのが基本。抽象的・比喩的に使うと季節感が伝わりにくくなる。
擬人法花が笑う、風が泣くなどは情緒的すぎて古臭くなることも。あくまで自然描写が基本。

以上、『プレバト!!』で夏井先生から教わったことを中心に、俳句のタブーについてまとめてみました!
俳句の世界では、これらのルールをあえて破ることで芸術性が高まる名句もあります。
しかし、俳句は「制約があるからこそ創造性が生まれる」文学。
まずは基本やルールを正しく理解し、守ることがとても大切になります。
そのうえで、美しい“型破り”の美学が生まれるのですね😌

山口素堂の俳句からこちら。
かつおのたたきです🐟️
わさびやしょうがはもちろん、柚子胡椒やポン酢でもおいしそう😋